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イスラエル首相の報道官、ガザの被害は「パレスチナ側の寸劇」と投稿➡︎誤り。短編映画の映像を…

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イスラエル軍が地上侵攻を続けるパレスチナのガザ地区を巡り、「パレスチナ側が被害を自作自演している」といった趣旨の投稿と動画がSNSで拡散した。

発信元はイスラエル首相の報道官で、動画には荒廃した様子の街の中で子どもが「メイク」をしてもらっている様子などが映っている。

しかし、この動画はレバノンで撮影された短編映画の関連シーンで、パレスチナ側が被害を自作自演するために撮影した動画ではない。

つまり、同報道官の投稿は誤りだ。

ガザ地区ではイスラエルの攻撃によって子どもを含む大勢の人々が亡くなっているという情報もある。

ハフポスト日本版は、ファクトチェックした。

イスラエル首相の報道官の投稿

イスラエル首相の報道官は、Ofir Gendelman氏。11月9日(日本時間)、Xに英語でこう投稿した。

「パレスチナ人は国際メディアと世論を騙している。騙されてはいけない。カメラの前で、負傷したように見せかけたり、“負傷した”市民を避難させたりしているのを、自分の目で確かめてほしい」

この投稿には1分弱の動画が添付されており、血のような赤い液体を顔に塗られた子どもが記念撮影をしたり、逃げるように走っている人たちをカメラマンが撮影したりする様子が映っている。

このような動画を根拠に、Gendelman氏は「Pallywood(パレスチナ人がカメラの前で演じる寸劇)だ」と発信している。

つまり、ガザ地区で子どもを含む大勢の死者が出ているという報道はフェイクで、パレスチナ側はカメラの前で被害を演じているだけだ、と言っているということだ。

イスラエル側が投稿した画像➡︎誤りイスラエル側が投稿した画像➡︎誤り

レバノンで撮影された短編映画 

しかし、Gendelman氏が「Pallywood」の根拠とする動画は、レバノンで撮影された短編映画の「舞台裏」を映した1シーンだ。

映画監督のmahmoud ramzi氏が11月9日(日本時間)、Instagramアカウント「mahmoud ramzi.official」にこのようなリール動画を投稿した。

「フェイクというのであれば、なぜバルーンやバイオリンが出てくるのだろうか。これはレバノンで撮影した映画で、ガザの人々の苦しみを表現している」

ramzi氏は10月29日(日本時間)、「THE REALTY」という映画の映像をInstagramに投稿しており、その内容はGendelman氏が11月9日に投稿した映像と一致する。

また、この短編映画に出た俳優たちも、Gendelman氏の発信は「誤りだ」と主張している。

赤い液体を顔に塗られていた子役は、自らのInstagram「rami.jardali」のストーリーに「Pallywoodとして出回っているビデオは、パレスチナ人に捧げられたレバノンのショートフィルムである」と書かれた画像を投稿。

同じくTHE REALTYに出ていた俳優も、自らのInstagram「omar.atabb」のストーリーに「パレスチナについてのレバノンの短編映画の舞台裏映像である」と投稿したアカウントのリール動画をリンク付けしている。

これらのことから、Gendelman氏が投稿した動画はレバノンで撮影された「THE REALTY」という短編映画の「舞台裏」の1シーンであることがわかる。

つまり、Gendelman氏の「パレスチナ側が被害を自作自演している」という投稿は誤りだ。

なお、この件については、BBCのジャーナリストらもファクトチェックしており、Gendelman氏の投稿は「誤り」と判定している。

映画監督のmahmoud ramzi氏の投稿映画監督のmahmoud ramzi氏の投稿

◼️ファクトチェック記事のレーティングについて

ハフポスト日本版では、NPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のガイドラインに基づき、対象言説のレーティング(以下の通り)を実施しています。

ファクトチェック記事には、以下のレーティングを必ず記載します。ガイドラインはこちらからご覧ください。

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  • 正確 事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。
  • ほぼ正確 一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。
  • ミスリード 一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。
  • 不正確 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
  • 根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
  • 誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
  • 虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
  • 判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
  • 検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。

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