知ってる?靴にカビが生えたときの対処法。水洗いは逆効果?気をつけるべきポイントとは

2023/10/24 05:00 ウェザーニュース

靴も秋・冬物を取り出す時期になりました。靴箱からお気に入りの靴を出したら、カビが生えていた、という経験はありませんか。

除カビ・防カビの専門会社のハーツリッチ株式会社ハーツクリーン事業部の穂苅(ほかり)さんに、靴のカビ対策について教えていただきました。

靴のカビは水洗いOK?

靴のカビは、一見するとホコリのように見えます。そのため「水洗いをすればいいのではないか」と思いますが、いけないのでしょうか。

「先に結論から申し上げると、靴にカビが生えた場合に水洗いするのはNGです。長靴など水洗いを前提に作られた靴は別ですが、一般的な靴に生えたカビは、水洗いでは落ちません。むしろ靴のカビに水洗いは逆効果です」(穂苅さん)

どうして逆効果になるのでしょうか。水洗いするとカビの繁殖が進むのでしょうか。

「その通りです。カビは、<水分><湿度><酸素><栄養源>の4つの条件が揃った環境を好みます。栄養源は靴の繊維や革で、カビは靴の素材の奥まで繁殖している可能性があります。

そのカビに水洗いで水分を与え、日の当たらない靴箱に仕舞うと、繁殖のための好条件が揃ってしまうのです」(穂苅さん)

カビが生えたときの対処法

では水洗いではなく、どういう方法でカビを落とせばいいのでしょうか。

「まずは靴用ブラシで、靴の表面の汚れを掻き出してください。次に、靴に専用の除菌剤を吹きかけます。目に見えない部分にカビが生えていることもあるので、除菌剤は靴全体にかけてください。

その後、除菌剤を染み込ませた布で靴のカビを拭き取ります。傷がつかないように、やさしく拭くのがポイントです。

最後にしっかり乾燥させます。風通しの良い日陰に干すといいでしょう」(穂苅さん)

靴専用の除菌剤が入手できないときは、どうすればいいのでしょうか。

「濃度70~80%の消毒用エタノールで代用できます。靴によっては素材が傷むことがあるので直接吹きかけず、消毒用エタノールを染み込ませた布で拭いたほうがいいでしょう」(穂苅さん)

スニーカーのカビは、どうすれば落とせますか。

「酸素系漂白剤で落とせます。バケツに50℃くらいのお湯を入れ、スニーカーを浸してください。30分ほど置いて水でしっかりすすぎ、風通しの良い場所で乾燥させれば、汚れとカビが同時に落ちます」(穂苅さん)

カビを取るときの注意点

靴のカビを落とすときに、気をつけるべきポイントはあるのでしょうか。

「まずはしっかり乾燥させることです。カビの発生原因となる水分を残したのでは、なんにもなりません。

次に塩素系漂白剤を使わないことです。カビキラーやカビハイターなどの塩素系漂白剤は、靴を変色させてしまうことがあります。使うなら酸素系漂白剤を使ってください。

あとは、換気を行うことと手袋を着用することです。靴のカビ取りをするときは、必ず窓やドアを開け、カビの胞子を吸い込まないように気をつけてください。マスクやゴーグルも有効です」(穂苅さん)

靴のカビを防ぐためには

カビを発生させないようにするには、日頃からどんなことに気をつければいいでしょうか。

「靴そのものや、保管する靴箱を清潔に保つのが一番のカビ対策です。靴は使用するたびにホコリや汚れを落とし、靴箱には備長炭などを入れて湿気を防いでください」(穂苅さん)

大切な靴にカビが生えていたらショックですよね。そんなことにならないよう、靴を片付けるときは汚れをきれいに落とし、乾燥した靴箱に仕舞うようにしましょう。
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