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子どもが生まれて8週間以内に父親が最長4週間の育休を取得できる「産後パパ育休」が始まって1年がたった。
実際の家庭では、この制度はどのように受け止められているのか。
産後パパ育休の良い点や改善点を聞いた調査が発表された。
女性637人に調査
産後パパ育休は、育児・介護休業法の改正に伴い、2022年10月から始まった。
父親は子どもの生後8週間以内に、最長4週間の育休を2回に分けて取得できる。
男性の育休取得促進のため、取得ニーズが高い子どもの出生直後の時期に、これまでよりも柔軟で取得しやすい休業として設けられた。
そんな産後パパ育休から1年が経過したタイミングで、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層を調査している「しゅふJOB総研」が、女性637人にインターネット調査を実施。
産後パパ育休のメリットや改善点について聞いた。
制度を知っていたのは54%
まず、「産後パパ育休を『知っていた』」と回答したのは、全体で54.3%にとどまった。
回答者の内訳は、「子どもいない」(129人)が45.0%、「子ども1人」(155人)が55.5%、「子ども2人以上」(353人)が57.2%だった。
子どもの数が多いほど、産後パパ育休の存在を知っている人が多いが、子どもがいない女性で産後パパ育休を知っている人は半数を下回っている。
良かった点は?
次に、「産後パパ育休の良かった点」について、複数回答で尋ねた。
最も多かったのは、「家事育児の経験が夫の視野を広げる」(56.8%)で、「夫と子どもがかけがえのない時間を過ごすことができる」(54.0%)、「妻のストレスが軽減される」(47.4%)と続いた。
「家庭内における性別役割分業意識の解消につながる」(39.2%)、「妻や女性たちの社会進出を促進する」(27.0%)という回答もあった。
「かえって妻のストレスが溜まる」の声も
逆に、課題として挙げられた点は、次のとおりになった。
「夫が家事育児をせずかえって妻のストレスが溜まる」(44.4%)、「昇進が遅れるなど夫のキャリアダウンにつながる」(22.0%)、「休業期間中に夫の仕事勘が鈍る」(21.4%)ーー。
具体的には、「夫が育休を『休み』や『手伝う』くらいに思っている」や「育休にあわせて育児教育もすべき。育休中の生活について報告するなど、どんな育児を行ったのかチェックすべき」といった声が上がっていた。
また、「育休をしてもキャリアに影響が出ない仕組みを作る必要」や「産後パパ育休の期間が終わったらほとんど育児に関わなくなる」という声もあった。
しゅふJOB総研の川上敬太郎・研究顧問は「産後パパ育休の成否は、夫の育児が妻のストレスを軽減するか否かが鍵を握っている」としている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
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