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パレスチナ自治区ガザ地区からイスラエルに大量のロケット弾などが打ち込まれ、多くの死傷者が出ている。パレスチナ自治区を実効支配するイスラム組織ハマスによるもので、ここ数年では最大規模の攻撃となっている。
BBCによると、イスラエルでは少なくとも250人が亡くなり、負傷者は1590人に上っている。10月7日の夜明け後には、ガザ地区から数十人規模の武装集団がイスラエル南部の集落に侵入し、イスラエル兵と市民を人質に取った。中にはガザ地区に連れ去られた人もいるという。
ハマスからの攻撃にイスラエルもガザ地区を空爆して応戦。ガザ地区ではこれまでに232人が殺害され、1650人が負傷していると報じられている。
パレスチナ自治区を実効支配するハマスとは何なのか。
長い歴史の中で深刻な迫害に遭ってきたユダヤ人が、迫害のない環境を求め、1948年にパレスチナの地にイスラエルを建国した。しかし、そのことでもともとそこにいたパレスチナの人たちが故郷を追われることになった。近隣の国に逃れた人もいれば、ガザ地区に住んでいる人たちも大勢いる。このことから、ガザ地区とイスラエルとの間には常に緊張感がある状態が続いている。
ハマスの誕生は1987年までさかのぼる。外務省によると、イスラム主義運動家でムスリム同胞団の最高指導者だったヤシン師がガザ地区を中心にイスラエルに対する抵抗組織を立ち上げた。ハマスは「イスラム抵抗運動」という意味を持つ。
1967年の第3次中東戦争でガザ地区はイスラエルの占領下に置かれ、1995年からはパレスチナ自治政府が自治を実施していた。法務省公安調査庁によると、その間もハマスはイスラエルへの攻撃を続け、2002年にイスラエルに対して全面戦争を宣言した。2005年2月にイスラエル・パレスチナ間で停戦合意が結ばれ、ハマスも停戦に応じた。
2006年6月にイスラエル軍がガザ地区を攻撃し、住民が殺害されたことを受け、ハマスは武装闘争を再開。翌年6月にこの地区を武力で制圧し、そこからハマスによるガザ地区の実効支配が続いている。
その後、2009年1月、2012年11月、2014年7月、2015年5月にイスラエル軍との間で大規模な戦闘を繰り返している。
アメリカやEU(欧州連合)、イギリスはハマスをテロ組織に指定している。日本は犯罪に資金が流れることなどを防ぐため、ハマスを資産凍結措置の対象としている。
ガザ地区はハマスをテロ組織に指定するイスラエルによって壁やフェンスなどで囲まれ、人や物資の流通が厳しく制限されている。封鎖状態にあることから「天井のない監獄」とも呼ばれている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「天井のない監獄」と呼ばれるガザ地区からイスラエルへの攻撃を強めるハマスとは?