ピンクダイヤモンドは、一般的な透明なダイヤモンドと比べ非常に希少で、高い価値がつく宝石として知られています。中でも有名なのが「ピンク・レガシー」で、2018年に行われたオークションでは、約57億円で落札されました。
珍しいピンク色のダイヤモンドが13日、スイスで行われたオークションで1カラット当たりの最高額となる5030万スイスフラン(約57億円)で落札された。
— 引用:BBC
実は、ピンクダイヤモンドがなぜピンク色なのかは、現在でも不明です。黄色やブルーのダイヤモンドは、他の元素の存在によって着色されているものの、ピンクダイヤモンドは、無色透明なダイヤモンドと同様に化学的に純粋とされています。
今回、オーストラリアのカーティン大学の研究者たちが率いる研究により、この希少なダイヤモンドがどのようにして地表に現れるのかを解明する大きな手がかりが発見されました。
*Category:サイエンス Science *Source:BBC ,nature ,sciencealert
超希少な「ピンクダイヤモンド」が生まれた古代大陸ヌーナ
これまでの研究では、ピンクダイヤモンドの生成には「地球のマントルの奥深くで、地殻プレートの衝突に関わる巨大な力」を必要とするということが判明しています。
研究チームは、ピンクダイヤモンドが発見された岩石の一部であるアパタイトとジルコンに含まれるウランの比率を調べ、年代測定を実施。その結果、ピンクダイヤモンドを多く排出したオーストラリアのアーガイル鉱山の岩石は、13億年前のものだったことが判明しました。
we found Argyle to be 1.3 billion years old, which is 100 million years older than previously thought, meaning it would likely have formed as a result of an ancient supercontinent breaking apart.
— 引用:sciencealert訳:私たちはアーガイルが13億年前のものであることを発見した。これはこれまで考えられていたよりも1億年古い。つまり、古代の超大陸が分裂してできた可能性が高いということだ。
この「超大陸」は、13億年から12億2000万年前の間に分裂した「ヌーナ大陸」を指しています。また、アーガイル鉱山が位置する地域は、衝突したことによって「瘉えることのない傷跡」が残っていたとのこと。その結果として、地中奥深くに眠っていたピンクダイヤモンドが地上に現れたと考えられています。
While the continent that would become Australia didn’t break up, the area where Argyle is situated was stretched, including along the scar, which created gaps in the Earth’s crust for magma to shoot up through to the surface, bringing with it pink diamonds.
— 引用:sciencealert訳:オーストラリアとなる大陸は分裂しなかったが、アーガイルが位置する地域は傷跡に沿った部分も含めて引き伸ばされ、地殻にマグマが地表に吹き上がる隙間が生じ、ピンクダイヤモンドがもたらされた。
アーガイル鉱山は、2020年に閉山するまでの間、世界のピンクダイヤモンドの90%を供給していました。今回の研究は、この希少な宝石の他の地殻鉱床の発見につながるのではないかと期待されています。
「ディープカーボン、大陸衝突、そしてストレッチング。この3つの要素が揃っていれば、かつて世界最大の天然ダイヤモンドの産地であった次のアーガイルを見つけることができると考えています」と、カーティン大学の地質学者ヒューゴ・オリオック氏は述べています。
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最高額「57億円」ピンク・ダイヤモンドが〝大量に生まれた大陸〟が判明する