ラッコがサーファー襲い、ボードを奪う激しい攻防戦。実は母親も「人間との間にトラブル」

手に入れたサーフボードを運ぶラッコ

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ラッコがサーファーを威嚇し、ボードを乗っ取るーー。

アメリカのカリフォルニア州の海岸で、そんな被害が相次いでいる。SNSではファンアカウントができるなどの人気を呼び、その姿を見ようと海岸にも人が集まる事態に。野生動物保護局などは、ラッコと人間、双方の安全を保障するため保護を試みている。

SNSの人気者になるも「これ以上エスカレートしたら、楽しくも面白くもなくなる」

このラッコは「841」のタグがつけられた、メスの5歳。2021年にサンタクルーズ沿岸でサーファーやカヤックに乗る人々らに接近し、それ以降より大胆な動きを見せるようになってきた。

先週末にこのラッコは3回にわたってサーフボードを奪うことに成功したという。AP通信などが報じた動画では、ボードをめぐりサーファーと激しい攻防戦を繰り広げた結果、ラッコがボードを勝ち取った様子がわかる。

この被害を受け、合衆国魚類野生生物局(USFWS)は専門家グループを作り、ラッコの「捕獲と里親探しを試みる」と発表。安楽死は考えていないことを強調している。

USFWSによると、ラッコが人間を攻撃するようになった理由はわからないが、メスのラッコは成長でホルモンが急増する点や、人がエサをやることが関係していると考えられている。

専門家グループに参加しているモントレーベイ水族館の広報担当は、ハフポストUS版の取材に対し、「彼女の行動の原因はわかりません」とした上で、「しかし、この行動はラッコが野生で生きていくためにはよくないことは明らかです」と述べた。

SNSで人気を得る理由には理解を示した上で、ラッコがサーフボードを盗むという発想は「純粋に面白い」が、「これ以上エスカレートしたら、楽しくも面白くもなくなるだろう」と指摘した。

実はこのラッコの母親(タグは723)にも、人間との間にトラブルがあったという。施設で保護された母親ラッコは、人間と肯定的な関係を結ばないよう接触を最小限にしていたという。

母親はその後野生に返ったが、カヤックに接近してエサをねだるようになった。モントレーベイ水族館によると、人々がラッコにエサをあげていた「明らかな証拠」があったとされており、野生の環境で暮らすことは難しいと判断。施設で再び飼育されることになり、その時に841の妊娠もわかった。

841も水族館で育てられたあとに野生に戻ったが、1年ほどすると母親と同じように人間に近づくようになった。

USFWSはこれらの経緯を踏まえ、「人間は決して野生のラッコにエサを与えてはならず、安全な距離を保つべきです」と警鐘を鳴らしている。

※この記事はハフポストUS版を翻訳・編集しています。

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