合わせて読みたい:「Dappiの行為、民主主義のあり方を歪める」提訴した小西洋之議員らが会見で語ったこと
Twitter上で野党批判を繰り返していた匿名アカウント「Dappi」の投稿者は誰なのか。Dappiのアカウントに投稿していた人物の“勤務先“とされる会社の社長は、東京地裁で6月26日に開かれた民事訴訟(新谷祐子裁判長)の本人尋問で問われたが、「いろいろな嫌がらせが想定されるので(誰が投稿したのかは)開示できない」として、投稿者の名前を明かすことを拒否した。
この訴訟は、Dappiによる投稿で名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の小西洋之参院議員、杉尾秀哉参院議員が2021年10月に訴えたものだ。Dappiが投稿に用いたネット回線の契約者だった都内のウェブコンサルティング企業と社長・専務の役員2人を相手取り、計880万円の損害賠償などを求めている。
訴状によると、Dappiは2020年10月25日、森友学園をめぐる公文書改ざん問題について、「近財職員は杉尾秀哉や小西洋之が1時間吊るしあげた翌日に自殺」などと投稿。小西議員らはツイートの内容は事実ではなく、名誉毀損にあたるとしている。
また、Dappiの投稿は平日に集中し、土日にはほとんど投稿がなされていないことなどから、「投稿を行ったのはこの会社の役員か従業員、または業務委託を受けた者であると推認される」と主張していた。
この会社は2021年、自民党東京都連から計約404万円の業務を請け負っていたことが朝日新聞デジタルなどの報道で判明しており、Dappiの投稿との関連性が疑われていた。
これに対して、被告の会社側はDappiは従業員が会社の業務時間中に、会社からの貸与パソコンを使って投稿を「私的」に繰り返していたもので、ほかの従業員らが気がつくことはなかったと主張してきた。
2023年3月13日には、東京地裁は被告側に「投稿者の氏名」を開示する命令を出したが、被告側は従わなかった。
東京地裁で6月26日、被告の会社の専務と社長への本人尋問があった。誰が投稿したのかについて原告側の弁護士から質問された専務は「人物を特定しないように、という社長の指示に従います」と明示を拒否。
続いて尋問された社長も、同社の公式サイトのお問い合わせフォームに「首吊って死ね」「この税金泥棒、地獄に落ちろ」といった誹謗中傷が相次いでいるとした上で、「いろいろな嫌がらせが想定されます。投稿した者をここで開示すると、そういう状況に陥いると考えられるので、私としてはその者を開示できないという考えです」と陳述。投稿者を明示することを拒否した。
「政党から仕事を受注したことがあったか?」という原告側弁護士からの質問に、社長は「自民党東京都連から仕事を受けたことがあります」と明言した。
一方で「会社としてTwitterへの投稿を請け負ったことはあったのか?」という質問に対しては「Facebookはありましたが、Twitterはありません」と回答。Dappiのアカウント運営を会社の業務として引き受けた可能性を否定した。
新谷裁判長からも弁論の終盤に「証言を正当な理由なく拒絶すると、反対当事者の主張が真実と認められるが、それでもいいか」と質問されたが、社長は「はい」と答えた。
今回で弁論は終結し、判決は10月16日午後3時に言い渡されることが決まった。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
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