愛犬がきれいに刈り込んだ芝生を食べたり、ドッグパークの草をかじったりするのはなぜだろうと思ったことはありませんか?犬が草を食べるのはよく見られる行動ですが、そこには意外な事実があったのです。
*Category:サイエンス Science *Source:sciencealert ,sciencedirect
愛犬が草を好んで食べていることに気づいている飼い主は、80%にものぼるという調査結果があります。草を食べるのは新しい行動ではありませんし、新しいデザイナーズ犬種だけがすることでもありません。イエローストーン国立公園の研究では、オオカミの糞の74%に植物(主に草)が含まれており、この行動は犬の時代から受け継がれている可能性があるとのことです。
多くの人は、犬がお腹を壊したときに草を食べると思っているようです。しかし草を毎日食べていた12頭の犬を対象にした研究では、嘔吐はほとんどなく、嘔吐があったとしても食事をした後であったそうです。また、食事が原因で軽い胃腸障害がある場合、通常の食事を与えている場合よりも草を食べる可能性は低くなるとのこと。その他にも、下剤が欲しいから草を食べるという説や、粗食だから草(食物繊維)を食べるという説もあります。
前述の嘔吐と同様、これらの説の多くには科学的根拠がほとんどありません。しかし犬が食事をまだとっていないとき、草を食べる確率が高いということがわかりました。空腹であればあるほど、草を食べる可能性が高いのです。
科学メディア「science alert」は、愛犬が草を食べる理由は意外にも「単に好きだから」かもしれないと指摘しています。草の食感や味は、普段食べているものとは違うものです。また、春の新鮮な草を好んで食べるなど、季節によって草を好むこともあるそうです。
草や芝生は除草剤で処理されていることがあります。芝生の化学物質は、散布後48時間まで芝生から頻繁に検出され、このように処理された芝生に接した犬の尿からも検出されます。犬の膀胱がんと除草剤への曝露との間に関連性がある可能性が研究により示唆されています。
同じ環境を共有する犬と人の尿からは、同じ化学物質が検出されるのだそうです。自分の家の芝生に除草剤を使用する場合は、使用前に愛犬、おもちゃ、食べ物、水飲み器をその場所から移動させた方がよいでしょう。そして犬を戻す前に、除草剤が完全に乾いていることを確認するようにしてください。特に粒状の農薬や土に染み込む肥料の場合は、24時間以上かかることがあります。リスクを減らしたい場合は、手作業で草取りをするのがよいかもしれません。
草だけでなく、一般的な植物の葉や花や実も、犬にとって有毒な場合があります。特にオレガノやローリエは、犬に嘔吐や下痢を起こさせることがあります。たまに嘔吐しても心配はありませんが、より深刻な嘔吐や下痢がある場合は、獣医に相談するようにしてください。
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