青々としてハリのあるスナップエンドウが出回り始めました。スナックエンドウと呼ばれることもありますが、違う種類なのでしょうか。野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。
「スナップエンドウとスナックエンドウは同じ種類で、もとは1970年代にアメリカから輸入された“Snap garden peas”というエンドウ豆のことです。“snap”といのは“パチン”とか“パキンと折れる”という意味で、その食感に由来します。“peas”は豆、エンドウ豆です」(吉田さん)
英語表記を読むと「スナップ」になりますが、どうしてスナックエンドウという名前になったのでしょうか。
スナックエンドウと名付けたのは大手種苗メーカーだそうです。
「『スナックのように手頃に食べられる』からとも言われています。スナックエンドウという商品名で販売が始まってから、スナップ、スナックの両方が並行することとなりました。
しかし、消費者に誤解を招くおそれがあるとして、1983年に農林水産省がスナップエンドウに名称を統一しました。現在もスナックエンドウと呼ばれることもありますが、これは種苗メーカーの商品名である場合が多く、スーパーなどの野菜売り場ではほとんどの場合、スナップエンドウの名称で販売されています」(吉田さん)
スナップエンドウは豆が成長してもサヤが固くならずにサヤごと食べられますが、さやえんどうよりスジがしっかりして太いため、スジを取ってから調理するのが一般的です。
しかし、取っている途中で切れてしまうなど、スジ取りに苦労している人も多いようです。そこで、吉田さんに簡単なスジ取りを教えてもらいました。
「スナップエンドウはスジがしっかりしているため、つま楊枝を使うときれいに取ることができます。手順は次の通りです」
(1)ヘタのつけ根の上側(平らな方)につま楊枝を刺す
(2)そのままつま楊枝を上に持ち上げると、スジだけきれいにはがれる
(3)指で下側(曲線の強い方)にヘタを折り、スジを下側に引っぱると反対側のスジも取れる
スナップエンドウには肌のツヤやハリを保つビタミンC、カルシウムの吸収を促進するビタミンKなどが含まれています。肉厚で甘みもあり、加熱してもパリッとした食感が楽しめます。旬の今、炒め物や軽くゆでておいしくいただきましょう。
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