明け方前は人工衛星が肉眼で見られることも
この映像はアラスカ時刻の明け方5時頃の出来事でした。
夕暮れの後や明け方前の夜空では、空はまだ暗い状態の中でも上空の人工衛星には太陽光が当たるため、光る点が数分かけて夜空を移動していくように見えることがあります。国際宇宙ステーション(ISS)も同様に一等星のような明るい点として見えることがあります。
今回映った光る線はたくさんの人工衛星による輝点の集まりで、同じ軌道を同じ速さで移動しているために線として見えたようです。
SpaceX社のStarlink衛星
映像で見えた人工衛星群はイーロンマスク氏の設立したスペースX社が打ち上げたもので、スターリンクという通信サービスのための人工衛星です。スターリンクのシステムには膨大な小型の人工衛星が使われていて、これまでに4000基以上が打ち上げられています。一度の打ち上げで数十基の衛星を同時に軌道に投入することが特徴です。
日本時間の3月4日明け方に打ち上げられたばかりのグループ2-7という51基の人工衛星は予定軌道に投入が成功し、周回を始めた初日でした。今後徐々に衛星同士の間隔が広がっていきますが、打ち上げからあまり時間のたっていなかったため、数珠繋ぎの状態で見られたというわけです。
打ち上げは頻繁に行われていますので、時間帯や軌道があえば日本からでも見られることはありそうです。