どれも味わう機会が多い飲み物ですが、「実は厳密な違いがよくわからない」という人も少なくないようです。UCCコーヒーアカデミーにカプチーノ、カフェラテ、カフェオレそれぞれの素材や作り方の違いなどについて、詳しく解説していただきました。
ミルクは“名脇役”
「ミルク(milk)は牛乳を意味する英語ですので、基本的にはミルク=牛乳という認識で大丈夫です。ラテ(latte)はミルク・牛乳を意味するイタリア語になります。
ミルクはコーヒーと相性のいい飲み物で、コーヒーの味わいを損なわず、むしろおいしさを引き立たせてくれる“名脇役”といえる存在です。
なお、スチームドミルクは蒸気で温められたミルクのこと、フォームドミルクはふっくらと泡立てたミルクのことをいいます。どちらもスチーマーを用いて作ります」(UCC)
小さなカップ入りの液体クリームや、瓶入りの粉末クリームも「ミルク」と呼ぶことがあります。コンデンスミルクも、よく聞きます。
「液体クリームには新鮮な乳脂肪である生クリームから作った動物性のものと、植物油に粘度をもたせて乳脂肪に近い状態にした植物性のものがあります。
動物性クリームはミルクの味わいが濃厚なので、濃いめのコーヒーに合います。植物性はあっさりしてコーヒーの味に与える影響が小さいので、アメリカンなど軽めのコーヒーに合います。
コンデンスミルクは加糖練乳ともいい、ベトナム式コーヒーなどによく使われる甘みの強いタイプです。コーヒーをデザート感覚で楽しみたいときにおすすめです」(UCC)
使用するコーヒーが違う
「カフェラテとカプチーノはエスプレッソを使います。エスプレッソ(espresso)はイタリア語で『急行、急ぐ』を意味します。深めに焙煎(ばいせん)したコーヒー豆を極細挽(ごくぼそび)きにして、エスプレッソマシンで蒸気圧をかけながら、瞬間的に抽出するコーヒーです。
一方、カフェオレはフレンチローストなどの深めに焙煎した豆から抽出したコーヒーを使います。
カフェラテとカプチーノはイタリア発祥、カフェオレはフランス発祥の飲み方です」(UCC)
それでは具体的にそれぞれにどのような違いがあるのか、それぞれの作り方を見てみましょう。
カフェラテの作り方
イタリアの家庭では、『マキネッタ』と呼ばれる家庭用のエスプレッソ抽出器具で淹(い)れたコーヒーと、温めたミルクを合わせて作るのが一般的です。
カフェラテはメニュー名として広く使われていますが、カプチーノのようにはっきりした定義はありません。カプチーノの条件に当てはまらないものが、カフェラテと呼ばれています」(UCC)
カプチーノの作り方
「カプチーノは150~180ccのカップにエスプレッソを抽出し、その上にスチームドミルクを注ぎ、さらにフォームドミルクをのせます。それぞれの割合は、エスプレッソ30%、スチームドミルク30%、フォームドミルク40%が目安になります。
きめの細かいクリームのようなミルクの質感、エスプレッソとの味わいと温度がバランスよく融合していることなどが、理想のカプチーノとされています。
カプチーノはキリスト教の一宗派であるカプチン修道会士(cappuccino)がかぶっている頭巾の形から、名づけられたという説があります」(UCC)
カフェオレの作り方
カフェオレ(café au lait)」はフランス語でコーヒーとミルク(coffee with milk)の意味です。
18世紀後半から、フランスの各家庭に毎朝搾(しぼ)り立ての牛乳が届けられるようになりました。するとコーヒーと牛乳を合わせて砂糖、ハチミツなども加えた栄養価の高いカフェオレが、庶民の食卓に欠かせない飲み物として定着したのです」(UCC)
発祥と素材の異なるカプチーノとカフェラテ、カフェオレは、それぞれの味わいにも違いがあります。ときにはそれぞれの成り立ちに思いを馳せながら寒い日の温まる一杯にしてみてはいかがでしょうか。
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参考資料など
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
知ってる?カフェラテ、カプチーノ、カフェオレの違い。寒い日の温まる一杯に【解説】