トルコ・シリア地震、へその緒がついた赤ちゃんを救出。母親は倒壊した建物で出産か

トルコとシリアの国境近くで2月6日に発生した大地震で倒壊した建物から、へその緒がついた状態の赤ちゃんが救出された。

医師は、母親は地震が発生した後に崩れた建物の中で出産したのだろうと話している。

がれきの中から救出された赤ちゃん(2023年2月7日)

AFP通信によると、赤ちゃんが見つかったのはシリア北部で反政府勢力が支配するジンディレスの町。マグニチュード7.8の大地震が発生から10時間以上たった2月6日午後、4階建ての建物が倒壊した現場だった。

救出作業にあたった親戚のハリール・アル・サワディさんは「掘り起こしているときに、声が聞こえました」「ほこりを払うと、へその緒がついた赤ちゃんを見つかりました。へその緒を切り、病院に運びました」と話している。

SNSに投稿された動画には、救出された赤ちゃんを一人が抱えて走り、その後ろから別の人物が赤ちゃんを包むための毛布を投げる様子が映っている。

AP通信によると、赤ちゃんは近所の女性がへその緒を切り、近く病院に運ばれた。病院では保育器で治療を受けている。

手当てをした医師は、赤ちゃんの体温が35℃まで下がっており、体には大きなあざもあったものの、容体は安定していると話している。

医師は、母親は意識がある状態で出産し、産んだ後に亡くなったのだろうと述べている。

地震が発生したエリアは、昼間でも氷点下になる程寒い。医師は、体温から判断して、赤ちゃんは発見から数時間前に生まれたのだろうと考えており、「地震の前に生まれていれば、寒さの中でこれほど長く生存できなかっただろう」と話している。

AFP通信によるとこの家で生き残ったのは赤ちゃんだけで、母親と父親、きょうだいを含む家族は亡くなったという。

赤ちゃんは救出された後、保育器で治療を受けている(2023年2月7日)

この地震の死者は日本時間2月8日現在、7000人以上とみられており、多くの人々が救出作業にあたっている。人命救助の壁と言われる72時間が迫る中、救出は時間との争いになっている。

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トルコ・シリア地震、へその緒がついた赤ちゃんを救出。母親は倒壊した建物で出産か

Satoko Yasuda