めまいや嘔吐を起こし、死に至った例も
「カフェインはコーヒーやチョコレート、お茶などの原料となる天然素材のコーヒー豆やカカオ豆、茶葉などに含まれ、近年はカフェインを含む各種のエナジードリンクも自動販売機などで手軽に購入できます。また、風邪薬や眠気・だるさ防止薬、酔い止め薬など市販の医薬品、栄養ドリンクなどの医薬部外品にも含まれていることがあります。
カフェインは適量を摂取することによって、頭を冴えさせたり眠気を覚ましたりする効果があります。しかし、過剰に摂取すると中枢神経系が刺激され、めまいや心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠の原因ともなります。さらに消化器管の刺激によって、下痢や吐き気、嘔吐(おうと)を引き起こすこともあり、死に至るケースもあります」(山口先生)
若い世代に過剰摂取者が増加
また、2015年に福岡県の20歳代男性が死亡するなど、カフェイン中毒死に至った人が3人いました。福岡県のケースでは、エナジードリンクを日常的に飲んでいて胃の中からカフェインの錠剤も見つかったと報告されています。
「カフェインは短時間で1g(1000mg)以上を摂取すると、中枢神経系や心臓が過剰に刺激され、中毒症状が出るとされています。
日本中毒学会の報告では、救急搬送された患者は20~30歳台が多く、男性の方がやや多い傾向が見られました。カフェイン中毒が増え始めたのは2013年頃で、ちょうどエナジードリンクが自販機で手軽に販売されるようになった時期にあたります」(山口先生)