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大事な話は全部、夫の方に行くんだ。
耳が聴こえないミカヅキユミさんは、これまで会話の中で相手の視線から自分が消える感覚を何度も味わってきました。
透明人間のように感じてしまうこともあるミカヅキさんですが、行きつけの病院で自分のことが「見えている」スタッフさんと出会いますーー。
そんな体験を描いた漫画がTwitter上で話題になっています。
作者のミカヅキさん(@mikazuki_yumi)は2児の母であり、ろう者のイラストレーター。11月13日に投稿した『わたしのことが「見えている」人』には3万件を超える「いいね」が寄せられました。
ミカヅキさんは子どもが受診している病院で、タツミさんというスタッフを信頼しています。なぜなら、タツミさんは、耳が聴こえないミカヅキさんに対するフォローやコミュニケーションの取り方を心得ているため、ミカヅキさんにとっては頼れる存在でした。
ある日、ミカヅキさんの娘が細菌感染していることが発覚。タツミさんはミカヅキさんに「今後の流れを説明したいからパパさんに来てもらお?」と伝えます。
自分が第三者の透明人間になってしまうのではないかとの思いに襲われたミカヅキさん。しかし、タツミさんはミカヅキさんの夫を前にしても、真っ直ぐミカヅキさんの目を見ながら、検査結果などを伝えました。
無意識のうちに、当事者の見た目や印象から、コミュニケーションができないと決めつけてしまう例は多いと、ミカヅキさんはいいます。
漫画の中で、当事者なのに無視されてしまうのではないかと不安に駆られたミカヅキさん。「知識を共有することで、どのような対応・行動をすれば良いか、共に考えていくことができればうれしい」と話しています。
※以下に漫画の一部と作者との一問一答が続きます。
※作品の続きはこちらから読めます。
※ミカヅキさんのブログはこちらです。
ーーなぜ、今回のエピソードを漫画にしようと思ったのでしょうか?
私のような思いを抱えている人もいること、そしてうれしい対応の事例を知ってほしくて描きました。
ーー普段から、子育てに関わることや大事な話を夫を介して後から聞いた時の気持ちを詳しく教えてください。
私もその場で一緒に知りたかったな…と、寂しい気持ちになります。また、自分の知らないところで夫と第三者の間で重要な取り決めをしたり、話が進んでしまったりすることもあって、「どうして私に言ってくれないの…」と思ったことも数えきれないくらいあります。 状況によっては、私の希望通りの対応がかなわないことも重々承知しています。 ですが、あまりにもそれが当たり前になり、常態化した結果、心が疲弊してしまい、あらゆる感情や疑問を持つことも声を上げることも諦め、無になってしまいたい心境になります。
ーータツミさんが、まっすぐミカヅキさんを見て治療の流れを話した時、どのように感じましたか?
聴者優位のこの社会で、自分の存在を認識してもらえたような、そんな気持ちになりました。
ーー日常生活の中で、自分が「透明人間」になっていると感じるのは具体的にどのような場面なのか、教えていただけますか?
物件の契約をする時。車を購入する時。冠婚葬祭の時。自分が病院を受診して診断結果を聞く時。親戚の家に行った時。あらゆる場面で、たまたま隣に聴こえる家族や手話通訳者がいると、私の知らないうちに、隣にいる人と第三者で話が進んでいることがあります。
ーー今回の漫画には3万1000件を超える「いいね」が付くなど大きな反響が寄せられていますが、どのように感じていますか?
多くの方にご覧いただけて、うれしく思っています。
ーー漫画を読んだ人から、多くの共感の声が寄せられていますが、何かメッセージがあれば一言お願いします。
障害者、外国人、高齢者、子供など、あらゆるパターンがあると思うのですが、当事者の見た目や印象から、コミュニケーションができないと決めつけ、当事者を無視して一緒にいる付き添いの人に話すことを「第三者返答」といいます。 第三者返答は差別行為にあたります。良かれと思ってやってしまっていたり、無意識にやってしまっていたりする例も多く、私も知らず知らずのうちに誰かに同じことをしてしまっているかもしれません。 また、当事者としては周囲の状況であったり(例えばお店が混んでいる、相手が忙しそうである、一刻を争う事態であるなど)気を使ってくれているのかもしれないと思うと、我慢してしまったり、声を上げづらかったりするところがあります。こういった知識を共有することで、どのような対応・行動をすれば良いか、共に考えていくことができればうれしいなと思っています。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
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