世界で屈指の預かり資産額を誇った仮想通貨(暗号資産)交換業社「FTX(エフ・ティー・エックス)」が11月11日(2022年)に破綻しました。
被害額は数兆円単にのぼる可能性が指摘されており、仮想通貨市場に大きな混乱が生じています。
FTX破綻、仮想通貨で過去最大 世界に影響連鎖も – 日本経済新聞)
これだけでも仮想通貨、ひいては経済界を揺るがす大事件ですが、現在進行形でSNSにリークされている内容さらに驚くべきものです。
FTXは傘下の投資会社アラメダ・リサーチの損失を補填するためにFTXの顧客口座に預けられた資産を不正に流用した疑いがあると報じられています。
FTX、高リスク投資の資金に顧客口座を利用-報道 – Bloomberg
市場最大規模の仮想通貨企業の破綻というだけでもショッキングですが、さらにもしその裏でユーザー資金の不利利用が行われていたとなれば驚きを通り越して怒りを覚える事件です。なお、いうまでもありませんがFTXが本社を置くバハマでも、FTX USやFTX Japanが展開する米国や日本でも違法とみなされる行為です。
11月12日には「〝ミステリアスな資金流出〟が起き、過去24時間に約6億6200万ドル相当の仮想通貨がFTXの口座(ウォレット)から失われていると報じられています。
Crypto Exchange FTX Investigating “Abnormalities” With Platform Fund Balances – Bloomberg
米国部門の顧問弁護士であるRyne Miller氏が「ウォレットの動きに異常がある」とコメントしていることから、破産手続きにあたる関係者が承認していない資金移動であることは確実です。
これに関して、Twitterでは「関係者が悪意のあるハッキング被害を認めている」という情報が飛び交っており、一部では「サム・バンクマンフリードがシステムにバックドアを用意しており、そこから資金を抜き取っている」と推測する声も上がっています。なお、記事作成時点においてはバンクマンフリード氏が資金を抜き取ったのかは不明で、信頼度の高いメディアから確定的な報道は行われていない模様です。
こうした中、飛行機の位置情報を追跡し公開するサービス「フライトレーダー」が「FTXの創業者で元CEOが所有する機体がアルゼンチンに向かっている」と投稿しています。
こちらも先のハッキングの話を同様にバンクマンフリード氏が関わっているのかは不明です。しかしながら、ショッキングなニュースが相次ぐ事件だけに「ユーザー資金を使い込み破綻した悪の経営者がハッキングを装って資金を抜き取り、プライベートジェットで南米に逃亡した」というストーリーがもっともらしく聞こえる状況となっているのは事実。今後、明らかになる事実に注目です。
なお、FTX Japanの顧客資産は金融庁などの規制を遵守しバハマや米国のFTXとは別に管理されているとのこと。一時はユーザーによる出金も可能だったようですが、記事作成時点においては「日本円の出金が停止している」と公式ツイッターアカウントが伝えています。
FTX Japanの最新情報については公式ツイッターアカウントをご参照ください。なお、資金がロックされている場合に怒りを覚えることはもっともですが、アカウントを担当されているや日本法人はこれまで真摯に顧客対応を行なっている印象です。心ないコメントは百害あって一利なしと思いますので、冷静な対応が望ましいでしょう。
NFTアーティストとして知られるビープル氏は今回の一件に関してサム・バンクマンフリード氏をモチーフにした作品を公開。キャプションには「CONTAGION(伝染)」と添えられており、不吉な雰囲気に溢れています。
*Category:テクノロジー Technology
オリジナルサイトで読む : AppBank
破綻した仮想通貨交換所「FTX」のCEOが所有するジェット機が南米へ飛行、サム・バンクマンフリード氏が逃亡との噂がSNSを駆け巡る