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「趣味がない」と焦っているあなたへ。なくたって大丈夫、もう「趣味を持つ」ために頑張るのはやめよう。

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絵を描いている女性(イメージ画像)絵を描いている女性(イメージ画像)

「趣味はなに?」

そう質問された時、すぐに陶芸や読書、釣りやガーデニングなど、好きなアクティビティを列挙できる人もいるだろう。

でも実際は、返事に困る人も多くいる。

「『趣味』など分類付けする言葉はたいがい、私たちを不安にさせる傾向があります」と心理療法士のバリ・シュワーツ氏は話す。

「自分が楽しむ事について答える場面で、私たちは『なんで何も思いつかないの?』『私の趣味は趣味と言えるの?』『つまらないって思われてるのかな?』と固まってしまったりパニックになってしまったりします」

自分には「趣味がない」と感じたり、自分の興味があることは「趣味」のうちに入らないと感じたりするのは珍しいことではない。

ストレスの多い今の時代、趣味を持つ自由時間があるだけでも遠い幻想のように思えるかもしれない。

そろそろ「趣味」という概念にプレッシャーを感じるのは止めるべきだろうか?もしくは、この言葉の意味を再定義するべきなのだろうか…?

専門家に考えとアドバイスを聞いた。

そもそも「趣味」って何?

「趣味の本質は、余暇に楽しむアクティビティのことです。だから、趣味を答えるプレッシャーを感じる代わりに、もっとシンプルに『自分は何をするのが楽しいのか』を自問したら、答えるのがずっと楽に感じられると思います」とシュワーツ氏は話す。

趣味は「生産的」である必要はなく、改善や進歩を要するものでなくて構わないのだ。(もしあったとしてもOK)

ニューヨーク大学で精神医学の臨床助教授を務めるスー・バーマ氏は、「以前、インタビューで趣味を聞かれ、旅行だと答えました。相手はそれは本当の趣味ではないと言いましたが、私にとっては趣味なのです。学び、探求し、楽しみ、そこから成長が得られるのです」

バーマ氏は、趣味の定義を「意味と喜びをもたらすもの」まで広げるべきだと考えている。そこから何かを学んだり、上達することはあくまでおまけだという。

仕事中心の現代の「ハッスル・カルチャー(仕事に全力投球で頑張らなくてはいけない、という文化)」の中で、趣味を「副業」にする必要はない。

ニューヨークの心理療法士、メグ・ギトリン氏は「休息中に喜びや回復をもたらしてくれるモノやコトを知っておくのは重要ですが、それが典型的なものでなくても、ポジティブな心理的影響をもたらしくてくれます。例えば、仕事が終わってテレビを見たり、散歩したりすることでも良いんです」と語る。

テレビを見るのもよしテレビを見るのもよし

ギトリン氏は、趣味の定義を「余暇に定期的にやる楽しいこと」とし、ある特定のアクティビティや興味があなたをどうリラックスさせ、日常生活をより良いものにしてくれるかに目を向けるよう勧めた。

「従来の趣味(絵画やガーデニング)の概念は素晴らしいですが、多くの人にとってそれは贅沢なものです。勤務時間も長く日々の生活に追われる中、多くの人はそうした伝統的な『趣味』に時間を割くゆとりがないのです」とギトリン氏は続けた。

確かに、複数の仕事を掛け持ちし、信頼できる保育園探しに苦労するなどしている状況で、ダンスクラスに通ったりサックスを練習したりする時間を見つけるのは難しい。「趣味」を持つというのは、ある意味特権なのだ。

「趣味を持つ」ことへのプレッシャーはどこから来るのか

「私たちは常に比較する社会に生きていて、人々は自分の人生が『十分ではない』と感じているんだと思います」とギトリン氏は話す。

「私たちは『〜しなければならない』と自分にプレッシャーをかけがちですが、まずすでにやっていることをしっかり認めて、回復のための自由時間の使い方は、思いやりを持って現実的に考えるべきなのです」

自分の洋服や体型、家や育児をInstagramを見て比べるのと同様、楽しみのための趣味さえも比較の対象となってきている。

お洒落な小物や美味しそうな焼き菓子、ワイルドなロッククライミングをする姿まで、自分の趣味を披露する人たちの写真は無数にある。

「今や、多くの人が自分の趣味をソーシャルメディアに投稿している時代。そのため、すぐに趣味の一つも言えないと疎外感を感じるのでしょう」とロサンゼルスのセラピスト、レイチェル・トマシアン氏は述べる。

「料理が好きで、毎晩の夕食作りで腕を磨いているけど、それ以上はしないーー。それでも構わないんです。私がそれ以上背中を押すのは、不安や落ち込みによって、人との繋がりやアクティビティを楽しめなくなっている場合の時です」

他人の目を気にしながら、私たちの貴重な余暇の過ごし方を決める必要はない。しかし私たちは、人生の極めてパーソナルな一部である「趣味」に、社会的な期待を感じてしまう。

バージニア州を拠点とするセラピストのアルフィー・ブレランド=ノーブル氏は、「人々がプレッシャーを感じるのは、他の一般的な場面同様だと思います。つまり、仲間に溶け込みたい、認められたいからなのです」と話す。

「自分が誰であるか、何を楽しむかを、誰かの基準に合わせる必要はありません。趣味を持たなくてはいけない、というような基準はないのだから、趣味がなくたっていいのです」

プレッシャーに打ち勝つにはどうしたらいい?

「一歩下がって、セルフケアのためにやっていることを楽しんでいることだと認めてあげれば、それは趣味に入ります。それが絵画や陶芸であれ、1人で散歩したり運動教室に通うことであれね」と心理療法士のシュワーツ氏は語る。

ワインのテイスティングに行ったり、映画やテレビ番組を見たり、はたまた友人と新しいレストランを試したり…ワーク・ライフ・バランスを養うためにしていることを考えよう。

「他人と比較するのをやめ少し寛大になり、自分が物事を楽しんでいることを自覚しましょう。趣味は比べるものではありません。あなたにとって何がリラックスになるのか、そしてワーク・ライフ・バランスを整えるのに役立つかが重要なのです」

趣味を評価したり、それが趣味と言えるのか考えるよりも、どんなコトやモノを楽しいと感じるかを自問し、それらに着手しよう。そして、その趣味が“下手”だとしても、全く問題ないことを忘れずに。

趣味を持たなければ、とプレッシャーは感じなくていい趣味を持たなければ、とプレッシャーは感じなくていい

セラピストのトマシアン氏は、「1週間のうち、仕事以外の活動全てをあげてもらい、それを楽しい順に並べ、もっと時間を増やしたいことや他にやりたいことがあるかを考えてみてください」と提案する。

ストレスの軽減には参加型の趣味が効果的だが、自分に合ったものを見つけるには試行錯誤が必要だ。一つの趣味が続かなくても心配いらない。色々試してみることにも価値があるのだ。

精神医学の臨床助教授・バーマ氏は、「趣味の有無よりも、その人が日々のストレスから解放されるための健全な気晴らし方法を持っているか、お酒や薬物などの不健康な手段に走らないような対処法を持っているか、ということを重視しています」と述べる。

だから、もう「趣味を持つ」ために頑張るのはやめよう。

代わりにその時間を使って、自分の好きなことをやればいい。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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「趣味がない」と焦っているあなたへ。なくたって大丈夫、もう「趣味を持つ」ために頑張るのはやめよう。

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