世界中の多くの家庭で悩みの種となっているゴキブリ。殺虫剤や毒餌など様々な対処方法はありますが、最近ではレーザーで退治するという新たな手段が生まれつつあります。このAIを搭載した装置について、海外メディア「vice」が解説しています。
*Category:テクノロジー Technology|*Source:vice,tandfonline
この装置を開発したのはイギリスのヘリオット・ワット大学のイルダー・ラクマトゥリン氏。彼と共同研究者たちは、ゴキブリを退治する、AIで自動化されたレーザー装置を作り出しました。
実験では、ゴキブリを高精度に検知するだけではなく、最大1.2mの距離で個々のゴキブリを無力化することができたそうです。
このプロジェクトの鍵となっているのが「Jetson Nano」という小型コンピューターです。この小型コンピュータでは機械学習アルゴリズムの実行が可能で、虫をより正確に検出するAIの開発を実現しています。
同氏が開発したレーザー装置はまず、2台のカメラからのデジタル信号を処理し、ゴキブリの位置を割り出しています。そして、その情報をガルバノミラー(レーザー光を反射する部品)に送信し、レーザーの方向を変えてターゲットを正確に命中させます。
ただし、ゴキブリを退治するためには、レーザーの出力レベルも重要とのこと、低い出力の場合は、ゴキブリを驚かせ、飛ばせるだけだったそうです。
驚くべきことに、ラクマトゥリン氏はこのプロジェクトをオープンソースにしています。つまり、世界中の人々が、この装置のすべてのデータと説明書を自由に利用できるのです。実際にこの装置を活用し、スズメバチなど他の害虫で試す人もでてきています。
注目すべきは、ゴキブリにダメージを与えられるのであれば、農業における他の害虫にもダメージを与えられるということです。従来では害虫駆除には殺虫剤や農薬が使われていましたが、これらの薬品は害虫以外の虫にも悪影響を及ぼします。このレーザー装置は、これに代わる新たな方法となり得るのです。
また、この装置の制作費は250ドル(約36,000円)以下と非常に安いのも意外な強み。現在の害虫駆除技術よりも安価で、コンパクトに利用できます。とはいえ、レーザーが人に与える影響などを考慮すると、実際に一般向けに製品化するにはまだまだ課題が多くあるようです。
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ゴキブリを〝灼熱レーザー〟で焼いて駆除する「AI搭載マシン」が本物のイノベーションと言える理由
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