世界的な影響力を誇るファッション誌「VOGUE」の表紙に、脇毛を処理していない著名俳優がモデルとして登場したことが話題を呼んでいる。
2022年8月号の表紙を飾ったのは、人気俳優のエマ・コリンさん。イギリス王室を舞台にしたNetflixの人気ドラマ『ザ・クラウン』シリーズ4で、故ダイアナ妃を演じたことでも知られている。
表紙のコリンさんは、白とゴールドの2着のタンクトップを重ね着し、頭にかぶったキャップのつばを少し持ち上げるポーズを取っている。
脇に目を向けると、処理されていない体毛がはっきりと写っている。
Emma Corrin first rose to fame by portraying a genteel, distinctly British vision of femininity, even as they discarded that same ideal of femininity in their own life. https://t.co/O1KWicABq5pic.twitter.com/KqnpQgsQ3N
— Vogue Magazine (@voguemagazine) July 6, 2022
コリンさんが脇毛を処理せずに雑誌の表紙を飾ったのは、今回が初めてではない。雑誌「Glamour」2020年11月号でも、袖のない衣装を着て、脇毛が見えるポーズで表紙に登場した。
当時の取材で、コリンさんは身体の自己表現について「私がどのように自分を見せるか、メイク、体毛、髪、そのほかの美的感覚をどうするかは、常に私が感じるものであり、外から決められるものではありません」と述べていた。
脇毛などの体毛を「何年も前から生やそうと思っていた」ものの、交際相手がいたため剃るようにしていたと打ち明けた。
「お互いのために剃るべきだという刷り込みがあったんだと思います。でも剃りたいわけじゃないんです!あるとき、なぜ今までこんなことで悩んでいたんだろうと気がつきました」
「これが普通のことになって、誰も気にしなくなればいいなと思う」
剃るか伸ばすか「決めるのは私」
処理していない体毛をオープンにする海外の女性著名人の発信は、過去にも話題を集めてきた。
マドンナさんは2014年、腕を上げて脇毛が見える写真をインスタでシェア。「長い毛…気にしない!」とポジティブにコメントしていた。
マドンナさんと娘のローデス・レオンさんとのツーショット写真では、レオンさんも脇毛を隠していなかった。
レオンさんは2021年、ファッションブランド「マーク ジェイコブス」のキャンペーン広告塔に就任した際にも、脇毛を剃らずに広告動画などに登場している。
イギリス出身のモデルで俳優のエミリー・ラタコウスキーさんは、脇毛が見える写真をインスタで公開。2019年8月の雑誌のエッセーで、「脇の毛を剃るか伸ばすかを決めるのは、私次第」「体毛は女性にとって、選択する能力を発揮する一つの機会だと考えます」などと述べている。
歌手のレディー・ガガさんは2019年、司会を務めるファッションの祭典「メットガラ」に出席する際、自身のインスタグラムで「4日間、脚の毛を剃っていません。これで完璧です」などと投稿していた。
日本企業にも変化
女性は脇毛を剃って、ツルツルに整えることが「美しい」ーー。こうした画一的な価値観を見直そうとする動きは、日本の企業でも始まっている。
刃物メーカー大手「貝印」は2020年8月、「#剃るに自由を」と提唱するキャンペーン広告を公開。「ムダかどうかは、自分で決める」とのキャッチコピーで、脇毛を剃らないバーチャルヒューマンの姿は大きな反響を呼んだ。
カミソリ・ひげ剃りメーカー大手のSchick(シック)は2022年4月、「ムダ毛」という表現を全ての自社発信において廃止することを発表。
同社の担当者はハフポスト日本版の取材に、「従来の自分たちの発信を振り返り、今では『体毛は一律に剃るべき』という考えが時代にそぐわないものになっていると感じています。リーディングカンパニーとして毛のあり方を決める選択をサポートしていきたい、その文化を醸成していきたいという信念もあり、今回の宣言につながりました」と明かしていた。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
人気俳優、脇毛を剃らずVOGUE表紙に。マドンナやガガら、「処理しない体毛」をオープンにしてきた女性たち