メキシコ産のコカ・コーラは、アメリカで作られたものよりも美味しいと噂されていたことがありました。これについて、実際にアメリカのコーラとメキシコのコーラに違いがあるのかを、国際情勢などに詳しいジャーナリストのジョニー・ハリス氏が解説しています。
*Category:テクノロジー Technology|*Source:Johnny Harris,wikipedia
まず、コカ・コーラとは、巨大な国際企業で、秘密のレシピを持ち、世界の隅々にまで輸出していることで知られています。
コカ・コーラという名前は、元の材料であるコカの葉とカフェインの原料であるコーラナッツにちなんで付けられたものです。
コカ・コーラのオリジナルのレシピにはコカの葉が含まれており、これはコカインの製造に使われるものです。しかし、安心して下さい。今、販売されているコーラにはコカの葉は入っていないでしょう。ただ、実際にレシピを知っている人はいないため、誰も本当のところはわかりません。
コーラに入っている、別の成分は甘味料です。甘味料はサトウキビ糖(砂糖)からできています。もともとコカ・コーラはすべて同じ砂糖で甘くされています。科学的には、この砂糖をスクロースと呼びます。
しかし、状況が変わりました。アメリカ政府がアメリカの農家の利益を確保するために、積極的に資金を提供するようになりました。
そこで、アメリカ政府はトウモロコシ栽培に多額の資金を投入し、トウモロコシ農家に補助金を出すようにしたのです。アメリカには、州全体が巨大なトウモロコシ畑になっているところがあります。
1980年代にトウモロコシ農家を営んでいた人は、自分の土壌でできる限り多くのトウモロコシを生産すると、あらゆる補助金を得ることが出来ました。
ただ、現状は多くのトウモロコシが余ってしまいました。いたるところに大量のトウモロコシがあり、アメリカの隅々からこぼれ落ちています。また、アメリカは他の国から入ってくる砂糖に貿易障壁、つまり関税をかけるようになりました。そのため砂糖は高価になりました。
一方、トウモロコシは信じられないほど安くなりました。
そこでコカ・コーラのような企業は、可能な限り安価な選択肢を見つけるために、あらゆるものを再編成したのです。そこで、トウモロコシからできていて、砂糖のように甘いけれども、化学的にはまったく異なる、新しく発明された甘味料に目をつけたのです。
この新しいトウモロコシの甘味料はブドウ糖と果糖から生成されています。そしてアメリカのコカ・コーラは、トウモロコシを使ってコーラを甘くし始めました。これが、高果糖コーンシロップの登場です。
こうして、2種類のコカ・コーラが誕生したのです。アメリカは高果糖コーンシロップを使ったコーラを製造し、メキシコを含む他の国はコーラの甘みに砂糖を使い続けました。
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「コカ・コーラよりおいしい」メキシコ産コーラの怪しすぎる正体