「ウニ好きの皆さん、お待たせしました!」
一貫100円(税抜)という「ウニ」の寿司がずらりと並ぶ圧巻の風景。
「年に1度のカニカニカニカニ! カニを食べるなら、スシローで!」
カニ味噌が添えられたカニの軍艦や握りが次々に現れるーー。
2021年9〜10月に放映されたテレビCMだ。威勢のいい掛け声とともに、新鮮な旬の寿司が次々に現れる映像に心を奪われ、ついつい足が回転寿司チェーン「スシロー」に向いた人も少なくないはずだ。なのに、CMで見たお目当ての商品が「大人気で売り切れ」なんて聞いたら、誰しもががっかりするだろう。
「あと少し早ければ・・・」と悔やんでも意味はない。実はこれ、開店から閉店までずっと提供していない商品を宣伝する「おとり広告」だったのだから。
消費者庁は6月9日、スシローを全国展開する「あきんどスシロー」(大阪府吹田市)に対し、実際には品切れで提供を中止しているウニやカニの商品を宣伝し続けたのは景品表示法違反(おとり広告)にあたるとして、再発防止を求める措置命令を出した。
調査した公正取引委員会によると、違反の対象となったのは「新物!濃厚うに包み」(税込110円)、「とやま鮨し人考案 新物うに鮨し人流3種盛り」(同528円)、「冬の味覚!豪華かにづくし」(同858円)の3点。
テレビCMで大々的にアピールした期間限定の目玉商品だったが、終日提供できなかった日が1日以上あった店舗が全国600店の9割を占めた。にもかかわらず、利用客には提供中止を周知せず、広告を打ち切らなかったという。
同社はホームページ上に発表した文書で、目玉商品について「予想をはるかに上回るご愛顧をいただき、早期に在庫が不足することが予見される事態となってしまいました」と説明。
ホームページなどで周知しないまま商品の提供を中止したことについて「お客様への告知として不十分なものとなってしまいました」と述べた。
「今回の措置命令を真摯に受け止め、消費者庁と調整のもと、広告表現の見直しや景品表示法に関する研修などを実施し、再発防止に努めてまいります」とコメントしている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
スシロー「告知として不十分なものに」。品切れのウニとカニを宣伝→「おとり広告」と措置命令