「カレーは飲み物」と人間に押し切った鳥がいると話題に。1日で2500食を売り切る

「カレーは飲み物」

カレー好きの間で根強い支持を誇るこの論を、人間に押し通した鳥がいると話題になっている。

その名も「べガッ太」。約20年前からサッカーJ2「ベガルタ仙台」の公式マスコットとして活躍するワシのキャラクターだ。

発端は、5月25日に仙台市で開かれるホームゲームでのキャンペーンをチームの公式Twitterが告知したことだった。チームが「ドリンクすべて50%OFF」「仕事帰りに様々なドリンクを飲みながら応援してください」と呼びかけると、耳ざとくべガッ太くんが反応。

「えっ?飲み物50%オフ?ということは半額??つまりカレーも半額だな。」

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チームが「カレーは食べ物なので、半額にはなりません・・・」と説明すると、べガッ太くんは「カレーは飲み物だ!」と猛反論。

これにファンも「べガッ太さんが言うなら飲み物です」「カレーは喉越しが大事」と賛同。チームの中島元彦選手も「半額決定です。ベガッ太くんと勝手に決めました」と投稿して加勢した。

チームは緊急の社内会議を開催。最終的に「ベガッ太をはじめ、みなさまからのご要望にお応えし、カレーは飲み物とし、カレーも半額といたします」と発表した。 

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「カレーを求める行列」で2500食を完売

ついに「カレーは飲み物」との主張を人間に認めさせたべガッ太くん。ファンの間ではかねてより「カレー好き」と知られていた。

毎週火曜日は「カレー曜日」と決めているほど。ただ、話題になった5月25日の試合は水曜日。カレー曜日ではなかったが、べガッ太くんには譲れないものがあったようだ。

「カレーのラインナップも豪華」と話題に。スタジアムには仙台で人気のインドカレー店や牛タン店など14店が集まった。

当日提供されたカレーは地元の有名店などが手がけた

ベガッ太くんも「カレーは飲み物」と書いたプラカードを抱えて駆けつけた。ベガルタ仙台の担当者は「平日のナイトゲームにもかかわらず、通常より2時間ほど早い午後5時にはたくさんの観客がスタジアムに集まり、カレーを求めて行列を作っていたので驚きました」と話す。最終的に、用意した2500食を全て売り切った。

Twitter上では「カレーおいしかった」「半額だったので2食買った」と喜ぶ声が相次いだ。

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ベガルタ仙台の担当者によると、割り引いた「半額分」の金額は、全額チームが負担し、出店者に損失はないという。チームのコストを増やしたベガッ太くん、大目玉を食らっていると思いきや、チーム内では「もともと自由な性格がいいところなので」と歓迎されている様子。

「チームの想像を遥かに超える注目を集める結果となり、ベガッ太くんには『ありがとう』と伝えたいです」

ベガルタ仙台では今後も「カレーは飲み物」とする認識を変えないという。ただ、同様のキャンペーンを再び企画するかどうかは未定とのことだ。

カレーは飲み物か?

鳥のキャラの押しで「カレーは飲み物」と認めたサッカークラブがある一方で、カレーが飲み物かどうかの論争はまだまだ続いている。

グルメタレントやスポーツ選手などにたびたび言及され、「カレーは飲み物」と題する商品や飲食店も現れるなど、「飲み物派」の存在感は色濃い。

ただ、いまだにカレーを「ドリンク」ではなく「フード」としてメニューに載せている飲食店は圧倒的に多い。

過去にはこの問いを少年向け雑誌『コロコロコミック』が付録で掲載したこともあった。

ベガッ太くんやベガルタ仙台の対応が、この論争にどれだけの影響を与えるかーー。その行方はまだ誰にも分からない。

〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉

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