人種差別的な職務質問、警察庁が全国調査を始める【レイシャル・プロファイリング】

警察庁や国家公安委員会などが入る中央合同庁舎第2号館(東京都千代田区霞が関)

警察官による人種差別的な職務質問が確認されている問題で、警察庁が内部調査に乗り出したことが5月25日、分かった。

警察などの法執行機関が、人種や肌の色、民族、国籍、言語、宗教といった特定の属性であることを根拠に、個人を捜査の対象としたり、犯罪に関わったかどうかを判断したりすることは「レイシャル・プロファイリング」(racial profiling)と呼ばれる。

日本のレイシャル・プロファイリングをめぐっては、アメリカ大使館が2021年12月、「レイシャル・プロファイリングが疑われる事案で、外国人が日本の警察から職務質問を受けたという報告があった」として、日本で暮らすアメリカ国民にSNS上で警告を出していた

レイシャル・プロファイリングとは?

都道府県公安委が対象

警察庁によると、調査は4月に開始。「2021年中に都道府県公安委員会になされた職務質問に関する相談などを対象として調査を実施している」という。

ただ、具体的な調査の手法については「所要の方法により必要な事項を指示しているところであり、調査の手法については回答を差し控える」としている。

調査は5月25日時点でも継続中。調査の終了時期について回答はなかった。

調査結果の取りまとめ方法については「未定」という。

2022年3月の参議院内閣委員会では、レイシャル・プロファイリングに関する石川大我議員(立憲民主)の質問に対し、国家公安委員会の二之湯智・委員長が「全国的にどういうことなのかということもこれから調査をしていかなければならない」と述べていた

「外国人はたいてい凶器かドラッグを所持」

「あなたのような外国人は、たいてい危険な凶器かドラッグを持っているから、と(警察官に)言われた」(アメリカ出身・両親がアフリカ系アメリカ人、20代男性、兵庫)

警察官に職質の理由を聞くと、「お兄さんみたいな見た目の人で、大麻とかやっている方結構いらっしゃるんで」と何度も言われました。(父が日系ペルー人2世、母がペルー人、30代男性、茨城)

ハフポスト日本版のアンケートには、日本で暮らす外国人や海外にルーツがある329人から、人権侵害だと思ったり嫌だと感じたりした体験が寄せられた

アンケートの結果から、レイシャル・プロファイリングが疑われる職務質問には「人種や海外ルーツの見た目が理由と説明された」「名前や日本語のアクセントを確認後、態度が変わった」など4つの傾向があることが判明。人種差別的な職務質問が常態化している実態が浮き彫りになった。

2021年3月には、警視庁が職務質問に関して「国籍や容姿等の見た目を捉えて差別的な発言は、絶対にしない」などと注意喚起をする文書を出していたことが明らかになっている

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Machi Kunizaki