雨の日が多くなったり湿った空気を感じたり、梅雨が近づいてくると気になることの一つに食中毒があります。食中毒は年間を通じて発生しますが、5~6月頃からは細菌性の食中毒が多くなります。
気温が上昇して湿度も増すこれからの季節のお弁当作り、その注意点を管理栄養士の柴田聡美さんに伺いました。
「お弁当の食中毒を予防するには、(1)つけない、(2)増やさない、(3)やっつける、の3つのポイントを守ることが必要です」と柴田さんは語ります。
ポイント(1)つけない
「まずは清潔を守るために消毒を徹底して細菌をつけないことです」と柴田さん。細菌を「つけない」工夫を次のようにアドバイスしてくださいました。
▼手を洗う
手にはさまざまな細菌が付着しています。調理前はもちろん、生の肉、魚介類、卵をさわったとき、顔や髪にさわったとき、鼻をかんだ後やトイレに行った後、必ずきれいに手を洗いましょう。
手や指に傷があると、食中毒の原因菌である黄色ブドウ球菌が発生します。調理用の手袋などで手を覆ってください。
▼お弁当箱を洗う
除菌効果のある泡タイプの洗剤とブラシを使って、丁寧に洗いましょう。四隅やふたのパッキンは外して洗うことが大切です。
洗ったお弁当箱は、十分乾かしてください。洗ってすぐ詰めなければならないときは、乾いたふきんで水気をしっかり拭き取る必要があります。
▼調理器具を洗う
洗剤でよく洗って熱湯や漂白剤で消毒し、乾燥させておきましょう。
▼食材を洗う
野菜や魚介類は流水でよく洗います。肉は細菌があると飛び散る可能性があるので洗わないでください(後で加熱殺菌します)。
ポイント(2)増やさない
「2番目は、食材の保存と詰め方を工夫して、食べるまでの間に細菌を増やさないことです」(柴田さん)
▼水分を切る
おかずに水分が多いと、お弁当箱に詰めた後から細菌が繁殖します。煮物などの汁気はしっかり切り、盛り付けカップなどで仕切りましょう。
▼生野菜は要注意
生野菜や果物はよく洗った後、しっかり水気を切って入れます。水分が出やすいレタスやサラダ菜は、避けたほうが無難です。
ポイント(3)やっつける
「最後は、加熱です。ほとんどの細菌は加熱によって死滅するので、やっつけるつもりで加熱しましょう」(柴田さん)
▼肉料理は十分な加熱が欠かせません。中心部が1分間以上75℃を超えるのが、加熱の目安です。
▼卵焼きやゆで卵などの卵料理は固まるまでしっかり加熱し、そのままで食べられるハムなどの加工食品も加熱調理。
▼冷蔵庫にある作り置きの総菜を使うときは、必ず火を通してから冷ましてお弁当に入れること。ごはんも温めて、蒸気がこもらないように冷ましてから詰めましょう。
手作りのお弁当は、仕事や勉強を頑張る心強い味方です。お弁当の食中毒を予防する「3つのポイント」を実践して、楽しいランチタイムにしたいですね。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「お弁当の食中毒」防ぐ方法とは?3つのポイントで【解説】