「過去、今、これからもウクライナであり続ける」北京入りした選手団が語ったこと【北京パラリンピック】

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナの選手団が3月3日ごろ、パラリンピックが開かれる北京に到着した。

ウクライナ・パラリンピック委員会のワレリー・スシュケビッチ会長は記者会見を開き、この状況下での大会参加について「ウクライナが過去、今、そしてこれからもウクライナという国であり続ける証です」と訴えた。

バスでの車中泊などここに来るまでに4日以上かかったと説明し、疲労の色を滲ませたスシュケビッチ会長。

25年以上もパラリンピックに参加してきた中で「来るのがこんなに困難で、重たく感じたことはありません」と打ち明けた。

ロシアに侵攻された母国から「多くのメンバーが爆撃や爆発から逃れて、なんとか脱出してきました」と説明。「戦争による多くの障壁がありました。ようやく、ここに生きてくることができました」と訴えた。

命の危険が脅かされる中、国内外から何とか選手やコーチ、ドクターを集めたり、必要なユニフォームや器具を揃えたりしたという。ウクライナ政府の助けを借りて北京に到着したと明かした。

その道のりを「このパラリンピックに来ることができたのは奇跡です。信じられない」と振り返った。

戦争の影響は甚大で、大会への参加断念も考えたが、ウクライナの存在を国際舞台で示す必要性を強く感じたと語った。

「ウクライナは、パラリンピックにおいて世界を牽引するリーダーです。ウクライナがパラリンピックに不参加であれば、国際舞台に立つことができなければ、ウクライナの人たちや国が存在しなくなると示すようなことになってしまいかねません」

「大国が私たちの国や存在を壊そうとしています。私たちがここにいるのは、単に一つのチームが到着したということだけではありません。ウクライナが国として存続していることの象徴なのです」

スシュケビッチ会長は続けて「ウクライナが過去、今も、そしてこれからもウクライナという国であり続ける証です」と訴えた。

「私たちは戦争反対という方向で団結できるのです」とも呼びかけた。

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Rio Hamada