「番組出演者もマスクしたら?」。新型コロナの感染拡大で視聴者が抱く疑問。マスク出演、過去には例が

1月22日の東京都の新規感染者数は1万1227人と1万人を超え、新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。芸能やスポーツ界、放送業務に関わる人たちの感染が日々報じられている。

それを受け、Twitterでは「番組出演者もマスクをしたらどうか」など番組内でもマスクをすべきという意見が数多く寄せられている。

和田アキ子さんが司会を務める『アッコにおまかせ!』(TBS系)の1月23日の放送では、喉の不調を訴えていた和田さんが番組の途中からマスクを着用して進行した。

アッコさん、途中からマスクを着用して放送

同番組では冒頭、司会の和田さんが、PCR検査を受けた結果は『陰性』だったとした上で「喉が不調です」と視聴者に対して“お断り”を入れた。

和田さんは番組を滞りなく進行するも、何度か咳払いをしてしまう場面があり、番組を見ていた視聴者からは「アッコさん、マスクしたほうが良いのでは」「念には念を、ぜひマスクをつけて欲しい」という声が寄せられていた。

その後、番組の途中で和田さんが「ここから、マスクをつけさせて頂きます」と断った上で、マスク姿で放送を最後まで続けた。

これに対し、視聴者はTwitterで「これでいいと思う」「できる対応はするべき」などと反応した。

「なぜマスクをしない?」と視聴者は疑問。芸能人やアナウンサーら「メディア出演者」の感染止まらぬ現状に

新型コロナウイルスの感染が全国的に再び拡大する中、特に目立つのが、俳優などの芸能人やアナウンサーといったテレビ番組の出演者の感染だ。

1月21日放送の情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ系)では、レギュラーで出演していた同局のアナウンサー7人が出演を見合わせた。Hey!Say!JUMPのメンバーで同番組に出演する伊野尾慧さんが新型コロナウイルスに感染したことを受け、接触した出演者を休ませる事態となっていた。

21日の放送は『めざましどようび』にレギュラー出演する佐野瑞樹アナウンサー、久慈暁子アナウンサーらが代役で出演して対応した。

他局でも、21日放送の『Nスタ』(TBS)では同局の日比麻音子アナウンサーが感染したことを受け、接触があったとされたメーンキャスターの井上貴博アナウンサーが自宅から放送を届けた。

また同日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日)は進行を務める同局の並木万里菜アナウンサーの新型コロナ感染を受け、弘中綾香アナウンサーが代役で出演するなど放送局は各局で対応に追われた。

だが、テレビ番組の視聴者の多くはTwitterで「テレビの出演者はなぜマスクをしないの?」「これだけ感染が広がっているのだから、出演者もマスクをすべき」「感染予防(対策)をと呼びかけている側の対応はどうなのか」と疑問を投げかけていた。

「マスクで出演」過去にも例が…

番組で出演者がマスクを着用した例は過去にもある。

テレビ東京では報道番組『ワールドビジネスサテライト』で、メインキャスター大江麻理子さんらがマスク姿で登場した。2021年1月のことだ。(※現在、2021年1月21日の放送ではマスクは着用されていない) 

番組側は「スタジオ内でトークをする場合には、出演者はマスクを着用する」と説明。

「(※当時出されていた)緊急事態宣言を受け、よりいっそう感染対策を強化することが必要だと考えての決断です」とマスク着用の経緯を明かしていた。

大江さんは視聴者に「様々なご意見があると思いますので、番組のSNSにご意見、ご感想をお寄せいただきましたら幸いです」と呼びかけていた。

テレビ番組で出演者がマスクを着用すると、口元が隠れるため口の動きは見られない。そのため、聴覚障害を持つ視聴者の方への配慮など対応が必要な点は確かにある。

一方、放送業務に携わった経験のある筆者は、それらへの対応が出来れば放送で使用されるマイクはかなりのレベルで音を拾ってくれるため、「マスクをしていることが原因で音が聞き取りにくい」ということにはならないとも考える。

「マスクをしていない状態でなければ番組が進行できない」というわけではない。感染を広げないために、今優先すべきことが何か。放送局側の対応が求められる。

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