正解したのだから、細かいルールは適用しないで賞品をあげて――。そんなSNSの訴えが、自動車メーカーを動かした。
アウディUSAは、アメリカの人気クイズ番組「ホイール・オブ・フォーチュン」で賞品を逃した参加者に、Q3を贈呈すると発表。
この参加者は、時間内にクイズに正解したにも関わらず、数秒の「間」を指摘されて賞品を逃していた。
アウディから車をプレゼントされることになったのは、「ホイール・オブ・フォーチュン」12月20日放送回でボーナスラウンドに進んだシャリーン・ルバッシュさんだ。
この番組では、参加者がパズルボードに隠された文字を当てて、文章を完成させる。
ルバッシュさんに出された問題の正解は「Choosing The Right Word(正しい単語を選ぶ)」で、10秒以内に答えるよう求められた。
ルバッシュさんは最初、間違った単語を答えたものの、時間切れ直前に正解。
ところが、司会のパット・セイジャック氏から、最後の単語を答える前に数秒の「間」があった点を指摘され失格だと告げられた。
セイジャック氏は「これはつらい判断です。あなたは『単語』という単語も含めて、すべて正しく答えましたから。ただ、途切れないように答えなければいけません」「短い中断は認められますが、4、5秒は認められません」と伝えた。
もらえるはずだった賞品はアウディQ3。ルバッシュさんは番組で獲得した1万6500ドル(約189万円)を受け取ることはできたものの、2021年製Q3の最低価格である3万5900ドル(約411万円)には及ばなかった。
このルール適用に声を上げたのが、番組の視聴者たちだ。
クイズ番組「ジェパディ!」の2015年のトーナメント優勝者アレックス・ジェイコブさんは、Twitterで「彼女は文字通り、正しい単語を選びました。車をあげてください」と訴えた。
ジェイコブさんは「ルールはルールだと思います。だけどこのルールは特に馬鹿げている。そんな厳しいことを言わないで。クリスマスですし」ともつづっている。
この意見に多くの人たちが賛同し、ハッシュタグ#GiveHerTheQ(彼女にQをあげて)を添えて「彼女は正解しました、車を上げてください」と番組に訴えた。
この盛り上がりを受けてアウディUSAは22日、番組の賞品と同じモデルをルバッシュさんに贈呈すると発表。
Twitterで「私たちの目から見て、あなたは勝者です。シャリーン、賞品を受け取ってください」とコメントした。
アウディは、車をプレゼントすると決めた理由を「細かなルールで彼女がアウディQ3を自宅に持ち帰るのを逃したことを残念に感じました。祝日の精神にのっとり、新しいアウディQ3をプレゼントすることにしました」とニューズウィークに答えている。
さらにその後、ルバッシュさんの居場所を突き止めたともツイートしている。数秒の間で車を逃した彼女だったが、嬉しいクリスマスプレゼントを受け取ることになりそうだ。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
数秒の「間」で賞品を逃したクイズ参加者をアウディが救済。新車をプレゼント