19歳の法学部学生、大家を訴えて勝訴する。参考にしたのは大学の教科書だった

学生寮の賃貸契約を巡って不動産会社を訴えた19歳の法学部学生が、法廷闘争で勝利した。

イギリス東部ノリッジにあるイースト・アングリア大学に通うジャック・ジムさんは、大学1年生だった2020年9月に学生寮に入寮した。

入学が直前で決まったために部屋の下見ができず、ウェブサイトに掲載されている写真を参考に入居を決めたという。

ところが写真と実際の建物は大きく異なっていた。写真にうつっていたのは高級志向の学生寮だったが、実際の部屋には暖房施設やWi-Fiが整備されておらず、建設業者が作業をしていた。

「住む場所というより、建設現場のようでした」「私の部屋の床は埃だらけで、あちこちからハンマー音が聞こえてきました」「夜は凍えるように寒く、どこからか変な臭いがした」とウェールズオンラインに語っている。

ジムさんは改善を大家に求めたが、問題が解決されなかったため1週間で退去した。

そして、契約違反と虚偽表示で寮を運営する不動産会社を訴え、保証金と最初の1カ月分の家賃返金を求めた。

ところが不動産会社側は逆に、事前の契約期間分の支払いにあたる約7000ポンド(約105万円)を支払うよう求めてきた。ジムさんは退去後に、借金回収業者から支払いを求められたという。

また、不動産会社は「ジムさんが1週間で退去したために、問題改善の十分な時間が与えられなかった」とも主張した。

参考にしたのは教科書

こういった主張に対し、ジムさんは大学の教科書を参考にして関連する法律を調べ、目撃者の証言や契約に関する判例を集めて反論した。

イースタン・デイリー・プレスによると、裁判文書では、同じ寮にいた別の学生も寮に暖房がないことや水漏れを報告した。 

2021年11月2日に開かれた審理では、ジムさんの父親がジムさんに代わって証言。裁判所はジムさんの訴えを認めて、求めていた金額と裁判費用の計999ポンド(約15万円)の支払いを不動産会社に命じた。

ジムさんは素晴らしい勝利だと判決を歓迎し「若者は自分を信じる必要があるという信念を植え付けてくれた」とBBCに語っている。

さらに「こういった問題が起きたら裁判に持ち込むべきです。変化は起こせる」とも述べる。

イースタン・デイリー・プレスによると、この不動産会社が運営する別のアパートでも水漏れや壁の穴などが報告されており、ノリッジ市議会が調査を進めている。 

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19歳の法学部学生、大家を訴えて勝訴する。参考にしたのは大学の教科書だった

Satoko Yasuda