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在日コリアン差別ツイート、投稿者らを提訴。安田菜津紀さん「ヘイトスピーチは傷つきにとどまらない」

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安田菜津紀さん

フォトジャーナリストの安田菜津紀さんが12月8日、在日コリアン2世の父と自身に対する差別的ツイートは違法だとして、投稿者らに計390万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。

提訴後の記者会見で、安田さんは「ヘイトスピーチの問題は心の傷つきにとどまらない」と訴えた。

*この記事では差別的な文言が一部記載されています。閲覧する際にはご注意ください。

在日コリアンに対する差別ツイート

安田さんが自身の記事を引用したツイート

訴状によると、安田さんは2020年12月、生前自身が在日コリアンであることを隠していた父親のルーツをたどる内容の記事を公開。その記事を引用して安田さんが自身のTwitterに投稿したところ、被告側の投稿者2人は安田さんのツイートに返信をする形で「密入国者では?犯罪ですよね?逃げずに返信しなさい」「在日特権とかチョン共が日本に何をしてきたとか学んだことあるか」などと投稿した。

安田さんはその後、発信者情報開示請求で投稿者らを特定。ツイートが不当な差別的言動であり、憲法13条が保障する「人格権」を侵害されたとして、一般人2名に対して195万円ずつ(計390万円)の損害請求を求めている。

訴状ではツイートの内容について、記事中で安田さんの父親の出生地が京都市内であることが明らかである他、「在日特権」とは日本人より有利な取り扱いを受けているという事実に反する噂であり、「チョン」とは朝鮮人を指し示す差別用語であるとも指摘している。

投稿者2人のうち1人の代理人弁護士はハフポスト日本版の取材に対し、「訴状が届いていないのでコメントは控えさせていただきます」と回答した。

「ヘイトスピーチは、傷つきにとどまらない」

原告代理人の師岡康子弁護士、神原元弁護士、原告の安田菜津紀さん、NPO法人Dialogue for People代表理事の佐藤慧さん

ツイート投稿者を特定するために先立って起こされた情報開示請求訴訟で、裁判所は投稿内容についてこれらが差別的であるという判断を示した。

・「原告の父親の出自が朝鮮人であることをもって、密入国者であると摘示した、不当な差別的言動と言わざるを得ない」

・「原告の父親のみならず、原告を含め、広く韓国にルーツを有する日本在住者をその出自のみを理由として一律に差別する趣旨のものであって、それらの者の社会的評価を低下させるとともに、その名誉感情を侵害する表現というべきである」

安田さんの代理人弁護団の神原元弁護士は、「不当な差別的言動が違法行為だということを裁判所に認めさせることに意義があると考えている」と話した。

弁護団の師岡康子弁護士は、日本の法整備の不備を指摘する。

「日本は人種差別撤廃条約に入っていて、本来は国が差別を禁止し、終了させる義務があります。いちいち被害者が声をあげなければいけないというのはおかしなことで、国が責務を果たしていない」と述べた。

安田さんは今回の提訴に至った背景を次のように語った。

「ヘイトスピーチの問題は、心の傷つきにとどまらないものです。矛先を向けられた側は、声をあげたらまた言葉の暴力にさらに晒されるのではないかという恐怖心を抱かされ、沈黙を強いられるなど、命や日常の尊厳を削り取っていく暴力性があると思っています。その連鎖に歯止めをかけるために、今回訴訟を起こしました」

「次世代がこうした矛先を向けられ、言葉の暴力に脅かされることがない社会を手渡していけるように、この訴訟がその一助になればと思っています」

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オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
在日コリアン差別ツイート、投稿者らを提訴。安田菜津紀さん「ヘイトスピーチは傷つきにとどまらない」

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