アップルはApp Storeの手数料ビジネスを守るために世界的な戦いを繰り広げていますが、ロシアの独占禁止局(FAS)からのApp Storeアプリ内課金に関する命令に対して異議を唱え、裁判所に提訴したと報じられています。
アップルはApp Storeを通じて得られる収益の15~30%を手数料として徴集しており、その要となっているのが自社のアプリ内課金システムを使うよう開発者に義務づけていることです。Epic Gamesの「フォートナイト(Fortnite)」はこの仕組みを回避しようとして独自の決済システムを導入したことでストアから削除され、アップルとの裁判に突入していました。
さてロシアメディアRTによれば、FASは8月にアップルに対して、App Storeを使うアプリ開発者が顧客にApp内課金以外の支払い方法を伝えることを許可するよう義務づけると警告し、9月30日までの期限を設けていたとのこと。しかしアップルが期限を守らなかったために、FASは罰金を科すなどの法的手続きを開始。これを受けてアップルはFASを裁判所に提訴し、異議を申し立てたと伝えられています。
他の諸国や地域でも、アップルはアプリ内課金システム以外の支払い方法を認めることを拒んでいます。たとえば上記のEpic訴訟でもほとんど勝訴しながらも、裁判所から「自社のアプリ内システム決済を強制してはならず、ユーザーを独自の決済システムに誘導することを認めなければならない」と命じられたことを不服として控訴し、命令の一時差止を求めていました。が、こちらは判事に却下されています。
またアップルは2022年初めから「リーダー」アプリ内に外部サイトへのリンクを許可し、実質的に30%手数料の回避が可能になる見込みです。とはいえ、「リーダー」とは電子書籍や音楽、動画ストリーミングなどに限られており、最大の収入源であるゲームは含まれていません。
また韓国でも、アップルとGoogleに対して自社アプリ内決済システム使用の義務づけを禁じる法案が可決されています。iPadやMacを凌ぐ巨大な売上高を誇るApp Store課金をどうやって守るのか、あるいは守れないのか。今後の展開を見守りたいところです。
Source:RT
via:9to5Mac
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