収容中の男性、入管警備員が首絞めてけが。謝罪と賠償求め申し入れ

東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容されているブラジル国籍の男性が、警備員から腕で首を絞められてけがを負ったとして、代理人の弁護士らがセンターに対して男性への謝罪と慰謝料の支払いを求める通知を送付した。10月26日付。

11月17日に東京都内で記者会見を開いた弁護団によると、事案発生は2021年8月27日。ブラジル国籍のフジナガ・レアル・ジャルデルさん(32)が、同センターの運動場近くの階段に腰掛けていた際、警備員に後ろから腕で首を絞められた。

フジナガさんが「ボールを(運動場の)外に出しちゃった」と事実と異なる内容を警備員に伝えたことを理由に、首を絞められたという。

フジナガさんは当日、病院に行きたいと訴えたが、「あざになっていないよ」「検討中」などと言われた。翌朝も痛みが続いたため、病院で受診したところ、頸椎捻挫の診断が出た。弁護団によると、フジナガさんは10月時点でも首の痛みや上肢の痺れなどを訴えていたという。

警備員はその後、フジナガさんに謝罪したが、「ふざけてやった」などと説明していた。フジナガさんが負傷したことを受け、センターの礒部哲郎所長は8月、「当局に対する信頼を損なうものであり、大変遺憾。警備会社に対し、厳重に再発防止を求める」とのコメントを発表している

代理人弁護士らはセンターに対し、フジナガさんへの謝罪と慰謝料100万円の支払いを求めているが、センターの担当者は「回答することはない」として応じない姿勢という。

「人として扱ってほしい」

入管を巡っては、名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが3月に死亡したことを受け、遺族が当時の幹部を殺人容疑で刑事告訴している

記者会見で、加藤桂子弁護士は「国として、入管として、起きた加害行為に対してどう責任を取るのか。責任を取るべき人が取ることを全くしないまま、あたかも何事もなかったかのように事が過ぎて、また同じことが繰り返されている」と指摘した。

指宿昭一弁護士は「(加害行為をした)警備員が民間会社に所属しているからといって、入管に責任がないなんてことは言えない」と強調。センターの対応は「あまりにも不誠実」として、「警備員個人の責任を追求するのではなく、あくまでも入管の責任を問いたい」と訴えた。

フジナガさんは「人として扱ってほしい」「二度とこんなことが起こってほしくない」と文書でコメントした。

フジナガさん側が謝罪と慰謝料の支払いを求めていることについて、センターの担当者はハフポスト日本版の取材に対し、「個別の事案については回答を差し控える」として答えなかった。

代理人弁護士によると、今後のセンター側の対応次第で、刑事告訴や国家賠償請求訴訟を起こす可能性もあるという。

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Machi Kunizaki