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「若者にとって身近な選択肢になりたい」今井瑠々さん、25歳で衆院選に挑む理由【最年少の国政政党候補】

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岐阜5区で活動する今井瑠々さん(公式Twitterより)

10月31日に投開票される第49回衆議院選挙。1051人いる立候補者のうち、20代はたったの14人だ。国政選挙での20代の投票率も、2010年以降は30%台に低迷しており、他の年齢層と比べても特に低い。若者の政治参加を求める声は多いものの実態は追いついていない。

衆院選に岐阜5区から立憲民主党公認で立候補した今井瑠々さん(25)は、国政政党では最年少の候補だ。1996年に岐阜県多治見市に生まれた。親族に政治家はいなかったが、高校2年生のときに東日本大震災のボランティア活動をしたことが、政治に目覚める原点になったという。中央大学法学部を卒業後、2月に務めていた都内のコンサルタント会社を退社。衆院選の最低年齢である25歳を4月4日に迎えたのに合わせて、公認候補となった

若い世代の多くは「政治家は特別な職業で、自分なんてなれるわけがない」と思っている人が多いと、今井さんは指摘する。そんな中で「私達の声をしっかりと国政に届けるためには『若くても挑戦していいんだ』という姿勢を示すことが大事」という思いから立候補を決意したという。「若者にとって身近な選択肢になりたい」と訴える。

公示日が迫った10月中旬、今井さんにリモートでインタビューした。

■「少しでも日本の若い世代が活躍できるような社会を作りたい」と立候補を決意

岐阜5区で活動する今井瑠々さん(公式Twitterより)

―― 政治家を志したきっかけは何ですか?

私は小学生の頃から、家や学校だけが居場所じゃなくて、地域の人たちに育てられたという思いがありました。ずっと恩返しをしたかったけど、方法が分からなかった。いつか地元に役に立てるような人になりたいとはずっと思っていました。

政治家になろうと思ったきっかけは高校生のとき、東日本大震災の復興ボランティアで宮城県南三陸町に行ったことです。「地域を守る」「暮らしを守る」「命を守る」ためには、ボランティアや地元の人達だけの力じゃなくて税金を使っていろいろな仕組みを作ることも必要。それには政治の力が必要だと実感して、政治家を志すようになりました。

―― 20代で衆院選に立候補した理由は?

この国がどんどん人口減少になる中で、若い世代がこれからの日本を担っていくと思っています。今は20代の国会議員が日本にはいないし、女性の国会議員もまだまだ少ない中で、少しでも早く東京から地元に戻って地域貢献がしたいという思いがありました。また、コロナ禍で日本が転換点にあるので、私が挑戦をすることで少しでも日本の若い世代が活躍できるような、そして今の現役の世代の人たちが安心して未来を過ごせるような社会を作りたいという思いから、立候補を決意しました。

政治には、選択肢と受け皿が必要だと私はずっと思っています。これまで政治が、人々の受け皿になりきれてなかった面があった。受け皿が充分でない女性の声だとか、経済格差で弱い立場にある人の声を、国に届けていかないといけないという思いもあります。国会議員に立候補する人は世襲だったり、高齢の男性だったりするケースが地元では多い。そうした中で、若者にとって身近な選択肢になりたいという思いもあります。

―― 地元に貢献する場合、市議や県議などの地方政治から始めるという手もあります。今井さんが今回、会社員からいきなり国会に挑戦した理由は?

もちろん市議会や県議会の仕事は、地元にとってすごく必要だと思います。でも、地方自治体と政府を繋ぐ役割も必要ということから、国会議員を目指しました。国の課題として、人口減少や地方の衰退、地方分権、ジェンダー平等など多岐にわたる問題があります。こうした構造的な問題を解決していかないと、暮らしやすくて安心して過ごすことができる町づくりは難しいと感じています。

 

■SNSなどで「もっと若い世代に届く言葉や発信方法で、政策を訴えていく」

―― 将来世代のために、どんな日本の姿を目指すべきだと考えていますか?

「どんな日本の姿を目指すべきか」をきちんと議論ができる国でなければいけないと思っていて、今の日本は現状維持先送りの政治で、なかなか何かを変えようとしても、上の世代の人たちの考え方が踏襲されてしまいがちです。特にコロナ禍で、経済格差が浮き彫りになっているし、会社員の手取り収入も20年前に比べてはるかに減っています。

ジェンダーギャップで男性よりも女性の収入の方が少なくて、コロナ禍での失業も自殺も女性の方が多い。女性ばかりが子育ての負担がかかる現状も改善していく必要があると思っています。私はずっと「未来を諦めたくない」って言っていますが、未来を諦めなくていい政治をする必要があると思っています。

とにかく今の日本で「生きづらい」と感じている若い世代に対して、「自分たちの未来は明るい」と希望を持たせてくれる人材が、日本の中枢に少ないように感じています。そこに新しい選択肢を作っていきたいという思いがあります。

―― 10代〜20代の中には「何やっても変わらない」といった政治への諦めムードがあるということですが、背景には何があるんでしょう?

やはり収入の問題があって、昔のように頑張ったら頑張った分だけ給料がもらえて、日本の経済も発展していくというわけではない。そもそも20代の収入は低いし、地方で非正規労働していても収入が安定せず、生活にお金がかかりすぎるとか、将来像を設計しづらい世の中になっていると思います。

―― 20代の投票率を増やして、政治参加への意識を高めるためには何が必要でしょうか?

若い世代からすると、政治のことってよくわからないし、タブー視していて話しづらい。そもそも投票したいと思う候補者がいないというのが、現状だと思います。それに対して政治家が、もっと若い世代に届く言葉や発信方法で、政策を訴えていく必要があります。

でも、政治家の側は、人口が多い高齢者や、すでに投票に行くことが分かっている人たちへのアプローチの方が主流です。そこで、私のような若い世代が SNSを使うことで、たとえばInstagramでのイラスト投稿や、動画での発信や、 Twitterでのインタラクティブなやりとりなどに力を入れていくべきだと思います。いずれはネット投票で、若者が政治に参加しやすいような制度に変えていかなければならないと思っています。

■「ロールモデルと言うとおこがましいですが、礎になっていきたい」

今井さんへのインタビューは10月18日夜、Zoomで実施した

 

―― 議員に立候補できる「被選挙年齢」は衆議院では25歳、参議院では30歳ですが、今後は引き下げるべきだと思いますか?

変えてもいいと思います。供託金の金額を下げたりだとか、お金以外のハードルを設定するというのもありだと思います。

―― やはり今回の衆院選も20代の候補者が少ないですが、年齢制限以外にも若い人が立候補するのにはハードルが高いのでしょうか?

高いと思います。やはり「政治家は特別な職業で自分なんてなれるわけがない」と思ってしまう方が多いのでは?と思います。でも本来であれば、私達の声をしっかりと国政に届けるためには「若くても挑戦していいんだ」っていう姿勢を私も示していきたいと思っています。

今は日本が転換点にあって、たまたま私が25歳の女性の候補者として立候補しています。でも、環境問題などの様々な社会課題にアクションをしている、もっと若い世代がたくさんいます。そうした人達が10年後・20年後に政治に挑戦したいと思ったときに、私もサポートできるようになりたい。ロールモデルと言うとおこがましいですが、礎(いしずえ)になっていきたいと思っています。

―― 国連の報告書は、気候変動が最悪のシナリオをたどれば、世界の平均気温は今世紀末に最大5.7度上昇する可能性があると指摘しています。気候変動を避けるために、日本は何をなすべきだと思いますか?

「気候変動を避けるために温室効果ガスを削減しましょう」ということが国際的な取り決めになっていますが、その中で日本の論点となるのは原発をどうするかだと思います。私は3. 11のボランティアをした経験から、原発を新設して稼働させ続けることは安全性の問題から、懸念があると思っています。今後は環境に配慮した再生可能エネルギーに転換していくと同時に、省エネに取り組んでいく必要があります。

省エネに関しては、大きく分けると企業が使う電力と一般が使う電力に分かれると思うので、企業に規制をしたり技術革新への補助を出したりすることで、少しでも環境に配慮できるような取り組みを推進していきます。一般の方に対しては、コロナ禍で新しい生活スタイルが確立されたように、私達自身がどこまで安全に配慮したアクションを取れるかが重要です。電気の消費量のこともそうですし、プラスチックゴミの排出の問題もそうです。その両面のアプローチをすべきだと考えています。

 

■岐阜5区で立候補している候補者は?

 岐阜県庁公式サイトによると、衆院選の小選挙区「岐阜5区」の区域は多治見、中津川、瑞浪、恵那、土岐の5市。立候補者は届け出順に古屋圭司さん(自由民主党・68歳)、今井瑠々さん(立憲民主党・25歳)、山田良司さん(日本維新の会・61歳)、小関祥子さん(日本共産党・68歳)の4人となっている。

■衆院選の20代候補者のリスト(年齢順)

吹田英駿さん(25)=比例東京ブロック(新党やまと)
生年月日:96年8月15日

今井瑠々さん(25)=岐阜5区(立憲民主党)
生年月日:96年4月4日

野中美咲さん(25)=大分1区(NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で)
生年月日:96年3月7日

近藤真衣さん(25)=比例北陸信越ブロック(自由民主党)
生年月日:95年12月11日

松野未佳さん(26)比例東京ブロック(自由民主党)
生年月日:95年7月29日

太田彩花さん(26)=東京16区(日本共産党)
生年月日:95年2月28日

吉川穂香さん(26)=東京24区(日本共産党)
生年月日:94年11月12日

岸野智康さん(27)=茨城3区 (日本維新の会)
生年月日:94年9月21日

荒井淳志さん(27)=石川1区(立憲民主党)
生年月日:94年4月30日

西之原修斗さん(27)=東京11区(日本共産党)
生年月日:94年4月16日

馬場雄基さん(29)=福島2区(立憲民主党)
生年月日:92年10月15日

矢島秀平さん(29)=広島3区(NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で)
生年月日:92年5月28日

木造燿子さん(29)=比例東海ブロック(自由民主党)
生年月日:92年4月22日

望月亮佑さん(29)=大阪18区(日本共産党)
生年月日:91年12月26日

※小選挙区と比例代表の重複立候補の場合は、小選挙区のみ記載した。

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「若者にとって身近な選択肢になりたい」今井瑠々さん、25歳で衆院選に挑む理由【最年少の国政政党候補】

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