複雑性PTSDとは? 眞子さまの状態として診断。トラウマとなる体験の繰り返しで発症

秋篠宮家の長女眞子さまが、複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されたと宮内庁が10月1日の会見で明らかにした。眞子さまは婚約者の小室圭さんと26日に結婚することが合わせて発表されたが、これまでに結婚に対する誹謗中傷と感じられるような情報を目にしたことが原因だという。時事通信などが報じた。

毎日新聞によると、会見に同席したNTT東日本関東病院の秋山剛医師は、眞子さまについて「自分自身と家族、結婚相手と家族に対する、誹謗中傷と感じられる出来事が長期的に反復され、逃れることができないという体験をされた」と説明した。

恐怖感がフラッシュバックすることもあり、「幸福感を感じるのが難しい状態にある」という。

 

■「トラウマとなるような体験が繰り返される」と複雑性PTSDになる可能性

複雑性PTSDとは何か。秋山医師の説明によると世界保健機関(WHO)による国際疾病分類(ICD)の第11版で、2018年に新しく導入された診断名だという。

国立研究開発法人「科学技術振興機構」内にある社会技術研究開発センター(RISTEX)では「困った人は、困っている人」というパンフレットを作成。ソーシャルワーカーなどの対人援助職の向けに、複雑性PTSDについて解説している。

このパンフレットでは、一般的なPTSD(心的外傷後ストレス障害)について、「トラウマによる特徴的な症状」と説明。トラウマとは、個人で対処できないほどの圧倒されるような体験によってもたらされる心の傷のことだという。

トラウマは地震、津波、台風などの自然災害、虐待、犯罪、性暴力、交通事故などの体験から生じることで知られている。また、日々の生活でも重い病気やけが、家族や友人の死、別離、いじめなどでもトラウマとなる場合があるとしている。

具体的には以下の4症状が1カ月以上続くと、PTSDとみなされるという。

(1)再体験症状
トラウマとなった出来事を急に思い出す(フラッシュバック)。悪夢をみる

(2)回避症状
その出来事を思い出させるような場面、場所、人などを避ける

(3)認知・気分の変化
楽しいと感じられない、否定的な考え、興味の喪失、孤立感

(4)過覚醒状態
寝付けない、小さな音にびくっとする、警戒心が強い、注意・集中力がなくなる、怒りっぽくなる

RISTEXのパンフレットでは、「虐待などのトラウマとなるような体験が繰り返されると、複雑性PTSDになることがあります」と続けている。

■複雑性PTSDになると「自分には価値がない」という否定的自己認知も

一般的なPTSD症状に加えて、「感情が不安定になる」などの感情コントロールの障害、「人とうまく付き合えない」などの対人関係の障害、「自分には価値がない」という否定的自己認知が見られるという。

複雑性PTSDで具体的に見られる行動として、以下のような物を挙げている。

 

・人を信用しない/疑い深い

・人と関わるのを嫌がる 

・笑い(怒る)声や物音、臭いに敏感

・感情の波が大きい

・人の顔を覚えられない

・些細なことにこだわる

・自暴自棄的な行動/自傷行為

・すぐ爆発する

・物忘れが多い・呆然としている

・好き嫌いが激しい

・急に怒り出す/固まってしまう/パニックになる

このパンフレットは最後に、トラウマを抱えてPTSDの状態になっている人への対応について「周囲にトラウマの理解がないために、誤解されてしまい、更なるトラウマを負ってしまうことがあります」と指摘。

再トラウマ化を回避するために「人々の行動の背景には“何かあるのかもしれない”と、いったん立ち止まって考えることが必要です」と訴えている。

…クリックして全文を読む

Source: ハフィントンポスト
複雑性PTSDとは? 眞子さまの状態として診断。トラウマとなる体験の繰り返しで発症

gxdrd934_0530