地球温暖化をはじめとした環境問題への対応は世界的な課題となっており、自動車産業においてはガソリンやディーゼルといった化石燃料を使用する車両からの脱却が進められています。移行先となるのは電気自動車や燃料電池自動車、ハイブリッド車ですが、「トヨタ自動車は電気自動車への移行を遅らせるべくアメリカの議会でロビー活動を行っている」ということが報じられています。
地球温暖化をはじめとした環境問題への対応は世界的な課題となっており、自動車産業においてはガソリンやディーゼルといった化石燃料を使用する車両からの脱却が進められています。移行先となるのは電気自動車や燃料電池自動車、ハイブリッド車ですが、「トヨタ自動車は電気自動車への移行を遅らせるようなロビー活動を行っている」ということが報じられています。
Toyota Led on Clean Cars. Now Critics Say It Works to Delay Them. – The New York Times
https://www.nytimes.com/2021/07/25/climate/toyota-electric-hydrogen.html
Toyota is quietly pushing Congress to slow the shift to electric vehicles – The Verge
https://www.theverge.com/2021/7/26/22594235/toyota-lobbying-dc-ev-congress-biden-donation
自動車メーカーとして、トヨタは決して化石燃料脱却の取り組みをおろそかにしているわけではなく、「電動車のフルラインアップ化」の一環としてEV15車種を2025年までに導入するよう推進しています。
トヨタ、電動車のフルラインアップ化の一環として新EVシリーズ「TOYOTA bZ」を発表 | トヨタ | グローバルニュースルーム | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/34997209.html
しかし、単に「電動化」ではなく「電気自動車(EV)化」としては他社に後れを取っているというのがThe New York Timesの指摘です。報道によると、トヨタは「EV化」を推し進めるバイデン政権の動きに対して、ハイブリッド車や水素を動力源とした燃料電池車も組み合わせて考えるべきだと働きかけを行っているとのこと。
実際に、2020年12月に開催された日本自動車工業会のオンライン懇談会において、会長でありトヨタのCEOでもある豊田章男氏は、日本政府が2030年代半ばにガソリン車を全廃することを検討しているという点について、「ビジネスモデルが崩壊してしまう恐れがある」と懸念を表明。一気にEVだけにするのではなく、ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車・燃料電池自動車・EVによってカーボンニュートラルに向けて進んでいくのが日本の生きる道だと語りました。
Toyota’s Chief Says Electric Vehicles Are Overhyped – WSJ
https://www.wsj.com/articles/toyotas-chief-says-electric-vehicles-are-overhyped-11608196665
豊田社長「エネ政策の大変革なしには困難」|日テレNEWS24
https://www.news24.jp/articles/2020/12/19/06789022.html
アメリカでは、カリフォルニア州が独自に国よりも厳しい排ガス規制を進めようとしたことが知られています。トランプ政権下では、環境保護庁は州への締め付けを行い、規制する権限を奪おうとしたほどですが、バイデン政権は規制推進派へと一転。カリフォルニア州では、ガソリン車の段階的な廃止、および2035年以降の新規販売可能な自動車をゼロエミッション車に限ることなどが決定しました。
ガソリン車の新規販売禁止をカリフォルニア州が決定 – GIGAZINE
ニュースサイトのThe Vergeは、EVだけではなくハイブリッド車や燃料電池自動車なども含めるべきだというトヨタの主張も悪くはないと認めた上で、充電インフラが十分ではない移行初期はハイブリッド車がEV普及に向けた重要な足がかりになるという見方を示しました。
ただし、トヨタは近年、「全車種燃費ランキング」でGMやフォードなどとともに下位に低迷しており、その理由は、セダンやハッチバックよりも利益が大きい、排ガスを多く排出するトラックやSUVの販売数が多いことにあると指摘されています。
・関連記事
「2030年までにガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止する」とデンマーク政府が発表 – GIGAZINE
世界で初めて化石燃料への公共投資をすべて引き揚げる法律がアイルランドで誕生する見込み – GIGAZINE
石油産業は電動バスの普及によって少なからず影響を受け始めている – GIGAZINE
車の未来が「電気自動車一択」である理由とは? – GIGAZINE
ということで、GIGAZINE上に記事を掲載して認知度拡大・ユーザー数増加などを実現するための記事広告媒体資料はここからゲットできます。
・関連コンテンツ
Source: ギガジン
「トヨタが電気自動車への移行を遅らせようと議会に働きかけている」との報道
1: 通りすがりのコメンテータ…