ハンバーグに生姜焼き、トンカツ、牛すじ煮込み。
好物をあげれば、見事に肉・肉・肉…
そんな“肉食主義”の私が、まさか「“代替”肉」に手を出す日がやってくるとは…
きっかけは「気候危機とお肉」に関する“不都合な事実“を知ったこと。世界の温室効果ガスの総排出量のうち、実は畜産業から出るものが14.5%を占めるといわれています。飼料となる大量の穀物を育てるために森林が伐採されたり、大量の水が消費されたりしていることも問題となっています。
そんななか、無視することができない存在感を放っているのが、最新のフードテックで進化を遂げている代替肉です。健康やアニマルウェルフェアへの意識の高まりや、肉よりも環境負荷が低いことで注目が高まっています。
もうお肉を我慢したほうがいいのだろうか…。でも、代替肉って美味しいの?
ただただ美味しくお肉を食べてきた27年間の人生に、突如「お肉とのこれからの付き合い方」という厳しいお題が降ってきたのでした。
まずは私も試してみようと、平日5日間、毎日1食に代替肉を取り入れてみることにしました。コンビニやファストフードで手に入るメニューを試したり、自宅で簡単な料理をしてみたり…。予想以上に美味しく手軽に毎日の食事に取り入れられるという気付きもありました。
私の「代替肉体験記」が、少しでもみなさんの外食や献立の参考になれば嬉しいです。
代替肉とひとことに言っても、大豆やエンドウ豆など植物性由来のものから、牛や豚などの細胞を原料とした培養肉、昆虫食まで、その種類はさまざま。今回は、最も手に入りやすい「大豆ミート」を中心に食べてみました。
※取り上げる商品は、一部に肉類を使用していたり、卵や乳製品を使用していたりするものもあります。ヴィーガン対応にはなっていません。
在宅ワークの日のランチは、冷蔵庫の余り物を使って、パパっと済ませたい。なんと、思わぬ強力な味方を発見してしまいました。大豆ミートで!
セブンイレブンで見つけた「野菜と大豆ミートのタコスミート」です。
タコスチップスに付けて食べるのかな?と思いきや、セブンのホームページをのぞいてみると、10以上のアレンジレシピが紹介されていました。
せっかくなので、その中から定番の「タコライス」に挑戦。といっても、ご飯の上に、適度な大きさに切ったレタスとトマト、タコスミート、ミックスチーズを載せただけ。究極の時短料理です。
気になる「タコスミート」のお味ですが、食感は完全に「ひき肉」。スパイシーなタレの味が効いているため、大豆の生臭さも全く感じません。ご飯とお野菜と絡めて食べると絶品です。
一人暮らしの身としては、使い切れるサイズ感、そして127円というお値段も素敵…。冷蔵庫に常備しておこうと決めました。
価格:127円(税込)
モスバーガーは2015年から、大豆ミートを使用した「ソイパティ」のバーガーを販売しています。定番のモスバーガーやテリヤキバーガーもソイパティで注文できるのが嬉しいのなんの…。
注文したのは「ソイモスバーガー」。一口かぶりついて「これはこれでアリだな」と妙に納得してしまいました。ソイパティは、牛肉ほどではないですが、とてもジューシーで、豚や鶏のミンチと言われたら違和感もなく食べてしまいそう。ミートソースとの相性もバッチリです。
ちなみにモスバーガーは2020年、バンズやソースも含めて動物性食材を全く使用していない「グリーンバーガー」も発売しています。
ヴィーガンのお客さんからは「グリーンバーガーが発売されて約10年ぶりにハンバーガーを食べました」という感謝の声も多く届いているそうです。(モスバーガーの広報)
価格:390円(税込)
大豆ミートって普段の料理に取り入れられるのかしら…。ちょっとドキドキしながら「生姜焼き」に挑戦しました。
使用したのは、無印良品の「大豆ミート 薄切りタイプ」。大豆ミートは水戻しが必要な商品も多いなか、こちらは常温保存(賞味期限は180日)で水戻しも不要です。
調理の手順は普段の生姜焼きと同じですが、無印良品の広報によると「先に生姜焼きのタレを染み込ませてから炒めると味が染み込みやすい」とのこと。
大豆ミートとは伝えず、家族に食べてもらいました。見た目では豚肉の生姜焼きだと全く疑われなかったのですが、一口食べてもらうとさすがに気付かれてしまいました。評価はわりと渋かった…。「後味は大豆だねえ」「豚肉には敵わないなあ」などなど。
食感は、豚肉と比べると柔らかめです。しかし全体としては「8割お肉」といっても過言ではないのでは…。「大豆からこれを作ってしまう技術ってすごいな」と妙に感動してしまいました。
今回は生姜焼きを作りましたが、「少し醤油を入れて調理していますが、和洋中いずれの料理にも使っていただけます」(無印良品 広報)とのこと。発売以降「想定以上の反響」があったとのことで、展開店舗の拡大を検討しているそうです。
価格:290円(税込)
在日インド人でベジタリアンの友人から真っ先におすすめされたのが、ココイチの大豆ミートのメンチカツ。「カレーじゃなくてそっち?」と思わず聞き返してしまいましたが…。
注文したのは、動物由来の原材料を使用していない「ココイチベジカレー」(野菜トッピング付き)、そして例の大豆ミートのメンチカツ。
「ベジ」と言えども、カレーの濃厚さはほぼ変わらず。主要原料がたまねぎだからか、ルーはピリ辛ですが、優しい甘さも残ります。
メンチカツは、厚い衣に、ミンチされた大豆ミートがずっしりと入っています。正直メンチカツの肉のジューシーさはあまり感じられず、コロッケのような印象も。でも、やっぱりカレーに揚げ物が付くだけで、一気に幸福度が増しますよねえ…。
価格:
ココイチベジカレー(トッピングなし) 530円(税込)
大豆ミートのメンチカツ 157円(税込)
近所のスーパーで購入したのが、伊藤ハムの大豆ミートの唐揚げ。5日目にして初の「鶏肉」です。
レンジかオーブントースターで温めて、そのまま食べられます。醤油としょうが、にんにくの味がしっかり効いていて、とっても美味しい。食感はメンチ肉に近い印象を受けました。
お酒のおつまみとして食べたのですが、鶏肉のから唐揚げよりも軽く、気付いたら5個、6個とパクパク口に入れていました。「低コレステロール」が特徴な点も嬉しいですね。
ちなみに伊藤ハムの「まるでお肉!」のシリーズでは、サラダチキンやハンバーグなど12種類も展開されています。お弁当やちょっとしたおかずに重宝しそうです。
価格:410円(税込)※都内スーパーで購入
「本当はお肉が食べたいけれど、代わりに仕方なく…」「洒落たスーパーにしか売ってなさそうで、高いんじゃ…」
私にとってそれが代替肉(大豆ミート)のイメージでした。なんともネガティブなスタートでしたが、そのイメージは変わりつつあります。
代替肉はむしろ積極的に選ばれる選択肢となって、私たちの食文化をますます豊かにしてくれるのではないかと。
「肉の代わり」としてではなく、大豆ミートだからこそ楽しめる商品もありました。この先、それぞれの代替肉の個性を生かした調理法もどんどん出てくるはずです。
「手に入りづらくて高そう」というイメージも覆り、毎日の生活圏内で手頃に手に入ることがわかりました。
肉好きな私は「明日からお肉をやめます」とは言えません。でもこれからは、お肉以外の選択肢を楽しみながら(3回に1回は代替肉のハンバーガーにしてみようかな…!)、お肉とのお付き合いをアップデートしていけたらと思っています。
日常会話からSDGsを考えるライブ番組「ハフライブ」。
7月のテーマは「食とSDGs」です。
みなさんは、「牛肉」と「気候危機」が繋がっていると考えたことはありますか?身近な食べ物から、地球にも、人間にも、動物にもより良い「食の未来」について話し合います。
【番組概要】
・配信日時:7月20日(火)夜9時~
・配信URL: YouTube
・配信URL: Twitter(ハフポストSDGsアカウントのトップから)
Source: ハフィントンポスト
1日1食、大豆ミートに置き換えてみた【実食体験レポート】
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