『かもめ食堂』憧れのシナモンロール。パイシートで再現してみた【簡単な作り方・レシピ】

《映画『かもめ食堂』のシナモンロールに憧れ、市販のパイシートで再現してみた内容です。本格的なものではありませんが、GWのおうち時間の過ごし方の参考に、よかったら見てみて下さい》

憧れのシナモンロール

仕事やらに追われて疲れていても、「日常を暮らす自分」を大切にしたい。

そう思った時に決まって見るのが、映画『かもめ食堂』。フィンランド・ヘルシンキで食堂を開く日本人の物語です。

北欧デザインや手際の良い料理描写に心の楽しいところが刺激される一方で、ずっと足踏みをしているような淀みもどこか感じさせる映画で、疲れている時の心にピッタリはまります。

新型コロナで在宅時間が続いたこの約1年の間にも、数回見ました。

見るたびに募るのが「シナモンロールのシーン」への憧れです。画面から焼き立ての香りが伝わってきそうなあの場面を、家で再現できたらけっこう幸せになれそう。

しかし、パン・ペイストリー作りはいつかやってみたいとは思っているけれど、やりたいことを手前から数えていくと、割と遠くにある。そもそもプロの仕事だし、趣味でやるにも勉強が必要で、揃える材料も多い。

挑戦にまで至らないままのある日、コロナ禍でのニーズがあったのだろうか、近くのスーパーの冷凍食品コーナーが広くなっていました。まじまじと左端の列から品揃えを見ていって、一番右列の下段に置かれたパイシートに目が留まりました。

これなら、混ぜたり、生地を寝かしたりしなくていい。

パイシートでかもめ食堂のシナモンロールぽいものが作れるのか。試してみることにしました。

 

シナモンロールのシーンとは?

そもそもどんなシーンなのかおさらいします。

ヘルシンキで食堂を開くサチエさん(小林聡美さん)は、本屋で話しかけたミドリさん(片桐はいりさん)を家に泊めています。

自宅で二人で合気道を練習していた時、突然サチエさんが止まって言います。

「ミドリさん、あしたシナモンロール作ってみましょうか?」

翌日、食堂でのシナモンロール作りが始まります。机に材料を並べ、ボールの中で混ぜ、生地を伸ばし広げ、形づくり、焼く。

オーブンから取り出した天板をコンロの上にのせると、二人は声をあげて、その場の空気を吸い込みます。

ミドリさんが両手の指先で焼き立てを割り、二人は立ったまま口に運ぶ。香りに誘われて入ってきた3人組のお客さんの前には、白い皿に盛られたシナモンロールと白いカップに入ったコーヒーが置かれます。

シナモンロールの形も印象的です。

私が日常的に見かけるのは上から見て渦巻きの形をしているもの。ですが、映画に出てくるのは、上から小指でギュッと抑えてくぼみをつけ、渦巻きは両サイドに出ていました。

 

パイシートで作ってみた

映画の該当部分を繰り返し見て、作り方を頭に入れて開始します。

基本の材料は3つだけです。

・パイシート
・砂糖
・シナモンパウダー

買ってきたパイシートは、縦横ともに20センチほどのもの。室温で10分ほど置くと扱いやすくなり、砂糖とシナモンパウダーを遠慮なくたっぷりかけて、手前からくるくると巻いていきます。

棒状になったら、「ハの字型」に切っていき、台形(ハの字)の上を小指で押してへこませます。

映画では粒の大きな砂糖のような飾りがついていましたが、家にないので、アーモンドを砕いてのせてみました。

上から見ると大きな目が、こっちを見ているみたいです。

あとは焼くだけ。

焼き時間についてですが、私は2005年製のターンテーブル式のオーブンレンジを長らく使っておりまして、オーブンの力はかなり弱くなっています。なので参考になるか分からないのですが、予熱の上、200℃で焼き色を見ながら40分弱ほどでした。一般的なオーブンなら、焼き時間はもっと短くていいと思います。

時間が経つにつれ、シナモンの香りが部屋に広がります。

出来上がったのは、やっぱり目みたいで遮光器土偶風というか…。しかし、小ぶりなものの、映画の形に寄せられたのでよしっ!

オーブンの力が強ければ、もっと色がついてシナモンロール感がさらに出ると思います。

味はパイシートらしいサクッとした感じながら、中はしっとりとして、シナモンパウダーと砂糖が溶け合った香ばしい風味もあり、シナモンロールと言っても許してもらえそうなレベルです(誰に?)。

映画のように、焼きたてをコーヒーと食べられるのが至福です。冷めたあとも、柔らかく食べられました。

 

「手軽なおやつ作り」には、こちらがおすすめ

よく見る渦巻き状のものも試したいと思い、同じ手順でパイシートを棒状にしたものを、輪切りにして焼いてみました。

こちらは、予熱ありで、200℃で30分ほど。なお、私のオーブンレンジの場合ですので、時間は参考までにして下さい。

指先でつまめる小さなサイズ。

サクサクしていて、食感はシナモンロールとは別ものですが、手が止まらない美味しさでした。不二家の「ホームパイ」の焼き立てを食べているよう、と表現すれば、その幸せが伝わるはず。

“かもめ食堂ごっこ”にはご関心がなく、「手軽なおやつを作りたい」という方には、こちらとってもおすすめです。

GWのおうち時間、映画『かもめ食堂』を見て、シナモンロール欲を高めた上で…よかったら試してみてくださいね。

みなさんの時間が、少しでも更にあたたかいものになりますように!

(湊彬子 @minato_a1 ・ハフポスト日本版)

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Source: ハフィントンポスト
『かもめ食堂』憧れのシナモンロール。パイシートで再現してみた【簡単な作り方・レシピ】

Akiko Minato