日本でも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が増加し続けており、2020年1月7日には東京を含む1都3県に対して緊急事態宣言が発出されました。そんなCOVID-19に感染して死亡した患者を調査したところ、新たに脳組織での損傷が発見されています。
日本でも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が増加し続けており、2020年1月7日には東京を含む1都3県に対して緊急事態宣言が発出されました。そんなCOVID-19に感染して死亡した患者を調査したところ、新たに脳組織での損傷が発見されています。
Microvascular Injury in the Brains of Patients with Covid-19 | NEJM
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMc2033369
Autopsies Reveal The Terrible Damage COVID-19 Can Inflict on The Human Brain
https://www.sciencealert.com/autopsies-reveal-the-terrible-damage-coronavirus-can-inflict-on-your-brain
新型コロナウイルスに感染した患者がせん妄や認知症のような症状を引き起こすことがが明らかになっています。さらに、COVID-19の症状が軽症であっても、神経学的に大きな問題が起きる事例も報告されています。
新型コロナウイルス感染症は軽症でも脳に深刻な障害をもたらすという研究結果 – GIGAZINE
医師のMyoung-Hwa Lee氏が率いる研究チームは、新型コロナウイルスに感染して死亡した5歳から73歳の19人患者の脳組織を顕微鏡を用いて観察しました。その結果、10人の患者の脳組織から損傷が発見されました。
実際に観察された脳組織の顕微鏡写真はこんな感じ。右側の写真では、血液を凝固させる物質「フィブリノーゲン」が緑色に染められており、緑色の線が密集している部分は「組織が損傷し、出血したためフィブリノーゲンが分泌された」ということを示しています。この観察結果から研究チームは、10人の患者が脳内に小さな損傷を負ったと結論付けました。また、研究チームの一員であるアヴィンドラ・ナス氏によると、損傷は脳の特定の部位だけでなく、複数の部位でバラバラに見つかったとのこと。
研究チームが患者の脳組織を分析したところ、新型コロナウイルスは検出されませんでした。この結果についてナス氏は「この結果は、脳組織の損傷が新型コロナウイルスによって直接引き起こされたわけではないことを示しています。脳組織の損傷はウイルスが引き起こした体の炎症が原因である可能性があります」と説明しています。
今回の研究は19人という少ないサンプルで行われたため、研究チームは「結論を急ぐべきではない」と述べていますが、脳組織が損傷するという研究結果は、これまでに報告されている新型コロナウイルス感染症の合併症や後遺症と一致しています。
ナス氏は「引き続き研究を行い、新型コロナウイルスが脳組織に影響を及ぼす過程を解明し、それが患者に及ぼす短期的・長期的な影響を明らかにする予定です」と語っています。
Source: ギガジン
新型コロナウイルス感染症で死亡した患者の脳組織で損傷が確認される
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